魅力的な文房具・筆記具業界から学ぶ製品開発とマーケティング
この記事を書くまでに、クルトガ、オレンズ、デルガードのマーケティング分析を行ってきました。これらの商品は、求める人にその特徴が伝わるデザイン、パッケージデザインも兼ね備えています。
特にデルガードに関しては、競合商品がいくら出てこようと、いくらでも巻き返せるほどの製品力を持っています。
そのポテンシャルの高さは、研究開発と、それらを守る特許法によって成り立つものです。特許法にてシャープペンシルの内臓技術を守ることで、全く同じ機能をもつものも現れません。
こう思うと、製品の構造そのものに特許を申請する業界においては、消費者は製品同士に違う表情を見出しやすいのかもしれません。
一方、ヨーグルトなどの加工食品においては、製造方法に特許がついているため、商品自体の違いのアピールをするのは難しいのかもしれません。できないわけではないのですが、知ってもらう努力や、消費者側の理解が必要になります。
とはいえ、今でこそ、筆記具は製品機能の特許を差別化に生かしやすい業界であると言えますが、クルトガが現れる2008年までは、筆記具業界は暗黒時代だったと感じています。
クルトガは筆記具業界の成長の立役者だった
様々な優秀な製品が開発されている筆記具業界の昨今ですが、全てはクルトガから始まったと僕は思っています(これは何度も語ります)。
クルトガがセグメンテーション(セグメンテーションに関しては、以前の記事参照)の分類基準を塗り替えたおかげで、他のメーカーもそれに追随し、業界内に良き切磋琢磨が生まれたのです。
クルトガのように、競合他社にも新たな気づきを与える製品が現れた業界は、他のセグメント(例えば、ボールペンなど)でも技術が伸びます。その考え方自体が他にも利用可能だからです。
もし、他の業界において行き詰まってしまっているのであれば、僕はこの業界に学ぶことをおすすめするでしょう。
記事を書いてみて
今回、デルガードのデルガードシステムには感動しました。先金が芯を守りに出てくる機構、素晴らしいアイデアです。しかし、そのすごさは、試し書きをしなければなかなかわかりづらいものがあります。
という凄さが記事を読んでもらって伝わればいいのですが、デルガードに関しては競合との差別化の意味も含め、もう少しデルガードシステムの、芯を「デテ」「ガード」する機能に関してアピールして欲しいなと感じます。
僕は、今まで紹介した機能性シャープペンシルではなく、製図用のシャープペンシルを使っていますし、芯を折る経験も少なかったので、オレンズに対してもデルガードに対しても、「何でこんな商品を・・」と、当初は思いました。
以前のクルトガのインパクトが脳裏に焼き付いて、そんなすごい商品なのか?と疑問に思っていたのです。
でも使ってみると、確かに無理に力を入れても折れないのです。折ろうと思っても折れない事に感動しました。
使っていなかったり、悩みがなかったりすると感覚が鈍ったりしますが、やっぱり使ってみるって大事だなぁと感じました。
今後も、筆記具業界だけでなく、他の業界に関してもマーケティングの視点に立って眺めてゆこうと思います。
制作:ゆるリサーチ
提供:あたまのなかのユニバース