セブンイレブンを競合と比較 セブンは何がすごいのか

以前のスターバックスと競合を比較した記事が好評でしたので、今回はその第二弾として、コンビニの比較分析をしてみました。

 

さて・・。セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン・・。どこが好きか?と言われれば、それは人それぞれかと思います。でも、どこが人気か?と言われれば、「セブンイレブン」と答えるのではないかと思います。

 

筆者はメルカリの出品者でもあるのですが、出品手続きが容易で、かつフードメニューの味が自分好みのセブンイレブンが好きなのです。ただ、今回は、あくまで「客観的に、」セブンイレブンのすごさを分析して記事を書きました。

 

セブンのすごさは出店戦略から始まる

この記事を読まれる方の中にも、セブンイレブンの出店頻度や、店舗同士の近さを普段から実感している人も多いかと思います。「やたら同じ地区内にセブンがある」と。これは「ドミナント戦略」と呼ばれる出店戦略です。ドミナント戦略とは、一地域への集中出店で自社の商圏の網を張り巡らせ、地域を独占市場化し、他社に出店しにくくさせる戦略です。セブンイレブンは、「ドミナント戦略」を世に知らしめた会社でもあります。

 

セブンイレブンの今の業界の地位は、どこよりもいち早くドミナント戦略を始めたことがきっかけと言えます。しかし、店舗網を敷いた後の戦略も良かったからこそ、今の経営の安定があります。セブンは常に攻め続けているのです。

 

セブンのすごさ=(PB×)パッケージ×プロモーション

僕は、セブンイレブンのすごさは、出店戦略の他に、パッケージとプロモーションにもあると考えています。今回の記事の問いは「セブンは何がすごいのか」ですが、これに対しての答えは「パッケージ(とPB)と、プロモーションがすごい」です。

 

パッケージとPB(プライベートブランド)は深く関係しますので一緒に考えていきます。

 

が、その前に。スタバの記事同様、まずは財務指標を確認してみます。

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セブンイレブンは、店舗数、営業収入ともに業界1位です、しかも、1店舗あたりの収益が競合2社に比べて高いため、非常に生産性が高い企業であると言えます。店舗数に関しては、日本で初めて2万店舗を超えた企業でもあるようです。

 

ローソンの社員が少ないのを「本当か?」とも思いますが、セブンイレブンやファミリーマートに比べて離職率が低く、多くの社員の社歴が1年以上に渡るのかもしれません。セブンやファミマはアルバイトの定着が問題になっているほどの高い離職率ですから、常時雇用者はおそらく、セブン、ファミマもローソンの値に近い値になるでしょう。

 

他と比べてセブンのパッケージは何がすごいのか

セブンのパッケージの良さは、ズバリ、統一感です。丼物は丼物でパッケージが全て統一され、パスタも同様にパッケージが統一されています。商品のパッケージが統一されるということは、シンプルに、棚が見やすく、商品を探しやすいです。

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ローソン、ファミマは様々な容器に入れられた商品が並んでおり、商品の見栄えもよくなく、容器ごとにブランドか何かが違うのか?と思ってしまいます。実際には、仕入れ先によって容器が異なるのですが、せっかくPBとして商品を打ち出しているのに、セブンに比べて他は台無しなのです。

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ファミマのラインナップ。実に様々な容器の種類がある。売り場も統一感なく、商品の探索が相対的に面倒

これに関連してパッケージを統一することによるもう一つのメリットがあります。次の消費にもつながり易いということです。同じ容器で統一されているか、されていないかで、売り場に置いてあるものの記憶し易さが違うのです。

 

同じパッケージであれば、「今日はカレーだったけど、明日はカツ丼にしよう」とか、商品のことも覚えやすく、商品を決めやすくもなります。よって、次の行動にも繋がりやすいのです。

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丼は基本的にこのパッケージを使っている。パスタなども同様に統一されている

これに関しては具体的なデータがありませんが、おそらくnanacoのカードに記される再来店と購入の関係を調べれば、すぐにわかってくることでしょう。

 

セブンだけがパッケージを揃えられる理由

パッケージを揃えるメリットがあるとわかっていて、なぜ他社は揃えられないのかという疑問が出てきますが、これは各社の取引状況の違いが大きいと思われます。

 

セブンイレブンは、基本的に「わらべや日洋ホールディングス(日洋HDと略す)」という会社から仕入れます。

 

対する、ファミマはサークルK擁するユニーHDとの合併があり、取引先が雑多になっています。ファミマの弁当売り場からは3社以上の取引先名を確認できます。ローソンも確認しただけで少なくとも2社以上からは仕入れている模様です。

 

セブンと取引がある日洋HDは、食品生産業としてはかなりの規模です。ファミマの主な食品の取引先のカネ美食品(実はファミマの関連会社)に比べて2倍以上の資産、売上額を計上しています。ゆえに、セブンも取引先を一社に集中させられますし、パッケージの統一も可能だったということです。

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取引先の総資産額。日研HDは倍以上の資産を持つ。売り上げも同様。

ちなみに、セブンイレブンは日洋HDの株式を1割以上持っていていますが、このことからも、継続的に取引をしてゆきたいという意思を感じます。

 

株式を保有することは、その会社の経営に対する発言力を強めることや、その会社への期待を持っていることが考えられるからです。

 

以上のことから、取引先の選定がPBデザインの一貫性、パッケージの統一の鍵であり、それが消費者の選び易さ、再購入のし易さの鍵であると考えます。

 

非食品の売り上げも大きいセブン。PBデザインの一貫性が鍵

実は、他の2社(ファミマ、ローソン)の売り上げの部門比率を見ると、9割が食品、1割が非食品となっています。

 

一方セブンイレブンは、食品7割、非食品が3割です。セブンは非食品も他と比べて人気が高いことがわかります。この理由は、シンプルで統一感あるPB商品のデザインが人気で、消費者が揃えたくなることが考えられます。実は僕もボックスティッシュは真っ黒のセブンイレブンのものを使っています。

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セブンのPBのティッシュ、シャンプー

 

僕以外にも、洗剤やシャンプーをセブンイレブンで買っている人は少なくないのではないでしょうか。セブンイレブンは、食品だけでなく、非食品でもデザインに一貫性を持たせることにより、消費者を虜にしているのでしょう。

 

消費者が興味を持ちやすいプロモーション戦略

さて、長くパッケージ、デザインに関して語ってしまいましたが、セブンが競合に比べてすごいもう一つの理由であるプロモーションに関しても書かなければなりません。

 

まず、コンビニのプロモーションってなんだ?と挙げてみました。

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なるほど、プロモーションに関しては結構コンビニごとの性格が出ているなと感じました。どの人にも受けるのがセブンイレブンのプロモーションであるのに対して、ファミマやローソンは的を絞っているように感じました。特にローソンは、アニメなどコンテンツとのコラボが多い印象です。

 

確かに、アニメ作品を知らない人間からすると、セブンイレブンはしょっちゅうイベントやってるのに比べて、他はあまりやってないなーという印象を持ちます。

 

一方、セブンイレブンでは、商品の抱き合わせ(お茶と弁当を買って50円引き、など)や700円くじ(お茶、コーヒーの交換券など)で商品の価格を安くするプロモーションを競合より多く行なっているために、他のコンビニに比べて消費者が常に関心を持ちやすいのだと気がつきました。

 

そして、この価格プロモーションを可能にするのも、大量仕入れによる仕入れコストの削減でしょう。他社と比べてコスト削減できている分をプロモーションでの値下げに回しても、収益性に問題がないからこその強気な価格プロモーションかと思います。

 

改めて、業界のリーダーの強さを思い知った気分です。

 

改めてセブンイレブンのすごさを感じた一週間

この記事を書こうと思ったのが一週間前で、それ以来、家の付近のコンビニをくまなく回ったり、各社の決算書に目を通したり、取引先について調べたりと、色々調べてきました。

 

もう一度書きますが、いや、リーダー企業はすごい。何も知らない段階でも、「セブンイレブンはすごいよね」と思っておましたが、調べるほど地力があることがわかってきて、さらにすごく感じました。

 

ただし、このすごさも「当たり前」なわけではないと思います。セブンイレブンは、コンビニコーヒーの先駆者であり、PBの先駆者でもあるのです。常に、新しく挑戦するリーダーなのです。

 

セブンのすごさには、業界初で失敗するかもしれないことにも挑戦するマインドも含まれるのだろうと感じました。

 

実はファミマにも注目してほしい

売り場が雑多とか書いてしまったファミマですが、その要因として、ここ数年で会社の形態がコロコロと変わっていたためだと書きました。

 

実は、ファミマは今年(2019年)1月に同グループ(ユニー・ファミリーマートHD。持株会社。)内のユニー系列の事業をドンキホーテの親会社であるパン・パシフィック・インターナショナルHD社へ譲渡しています。そして、今年の9月に、上述のグループ名から「ファミリーマート株式会社」へ社名を変更し、持株会社から事業会社へと変わり、二重経営から脱します。

 

また、その9月までには、サークルKの店舗も全てファミリーマートへの移行が完了するとのことでもあり、経営管理や運営の無駄を省き、取引先の整理や製品開発も行っていくとのことが決算書でも表明されていました。

 

ここ数年で、ファミマがどう変わってゆくか。セブンイレブンとの競争関係に変化が訪れるか。変化があった際には、この記事の第二弾として、ファミリーマートを取り上げたいと思っています。今後のコンビニ業界についても、目を見張らせておこうと思います。

 

ローソンは独自路線

こう見ると、合併で店舗数を増やしたファミマにも遅れをとったローソンに見えるかもしれませんが、そうではありません。そもそもローソンはコンビニチェーンの中では異質で、三菱商事系の会社です。

 

ローソンはコンビニのブランドも複数ライン持っており、高級スーパーの「成城石井」も会社はローソンです。また、健康、有機志向の「ナチュラルローソン」など、ローソンには複数のブランドラインが存在します。また前述の通り、アニメ作品やエンターテイメントとのコラボも、他にはない特徴です。

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確かに、ローソン単体で見れば他に劣るようにも見えますが、実は戦略の軸が違うようにも見えるローソンに関しても、目を向けていこうと思います。

 

最後になりますが、自宅近くのローソン、店内の導線が左回りではなく、右回りだったんですよね・・。入った瞬間に違和感を感じました。あれも差別化の一つなんだろうか・・。謎が残りました。

 

 

 

 

 

 

やてん

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