デルガードのマーケティング分析 デルガードは競合商品と比べて優秀な商品となるか? 

前回に引き続き、今回はデルガードのマーケティング分析を行います。

 

ターゲットを性別で分けていない?

デルガードのターゲットは、前回の記事で述べたように、「芯が折れる、詰まることが嫌な人」です。前提として、「芯をよく折る人」ということです。

 

ただし、オレンズに関しては女性がターゲットであると推定する一方、デルガードのターゲットは、性別での住み分けをしていなさそうです。

以下では、そう考えられる、いくつかの理由について述べてゆきます。また、ではデルガードのターゲットはどのような層なのかについて、考えてゆきます。

 デルガードのカラーラインナップは、性別を選ばない

まず、ラインナップのカラーがそれを表しています。今回、試し書きするために購入したデルガードのような青い色は、女性というよりは男性の方が手に取る可能性が高いと考えられます。一方で、ピンクやライムグリーンなど、女性好みのカラー展開もあります。

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鮮やかなブルー。筆者好みの色

 

芯径0.2でもなく、0.3でもなく、0.5からはじまる。

次に、これはオレンズと比較した話になりますが、デルガードの芯径は、0.5と0.3、0.7です。

 

オレンズの場合は、「字をノートに細かく書きたい」女性をターゲットにしており、それ故に0.2が初登場時の芯径でした。一方デルガードは初登場の芯径0.5で、後日、0.7が発売されています。0.5は、ノートへ字を書くとき、0.2や0.3に比べて折れづらく濃く書ける代わりに、字が潰れやすくなります。

 

これは、「几帳面にノートを書く」事を求める女性達からは、あまり魅力に映らないはずです。

 

デルガードは、広くターゲットを取ったのだろうか、と結論づけようと考えたのですが、発売の約一年後に行われた調査を見て、もしかしたら、と仮説が生まれてきます。ちなみにこの調査では、「デルガードと従来品を持った人が計算問題を行なったっとき、どこで集中力が途切れがちか?」を調べています。

 

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上述「発売の約一年後に行われた調査」から引用。

 

あくまで予想ですが、ノートを取る場面はもちろん、デルガードは集中力を要する試験の場面を想定して、研究開発されたのかもしれません

 

これは売り場で選ぶ段階では伝わりにくいのですよね。他の魅力は伝わり、十分魅力的な商品ですが、惜しいところです。もう一声で、オレンズとの大きな違いを示せたのではないかと感じます。

 



 

芯径0.7のデルガードはマークシート用。やはり、試験中の使用を重視か

「芯が折れない」ことをテーマにしているシャープペンシルなのに、なぜもとから折れにくい0.7の芯径のラインナップを出したのか?と、当初は不明でしたが、どうやら、センター試験などマークシート試験用のようです。

 

ここの市場では鉛筆とも競合しますが、確かに折れたら芯を削らないといけない鉛筆よりローリスクです。

 

このことからも、デルガードが「試験中」を意識しており、そこがオレンズとの違いを感じるところです。

 

芯径0.3のデルガードは結局女性向け?

芯径0.3を見ると、やっぱりカラーリングにはパステルカラーが入っています。これはオレンズに対抗してのことでしょう。

 

 

参照ページ

このデルガードのラインナップも、オレンズが女性向けである事を裏付けているように感じます。

 

デルガードはオレンズに比べて、床に落としても芯が折れにくい

シャープペンシルを落としちゃった・・。あるいは、筆箱が硬い素材でできていて、揺られるときに筆箱とぶつかって衝撃で芯が折れている・・。

 

ほとんどの芯径0.3のシャープペンシル(特に製図用)で起こることですが、デルガードはこれがほとんど起こりません。なぜなら、芯が裸の状態のスポットがほとんどないからです。

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ぺんてるのグラフ。オレンズもほぼ似た構造をしている。矢印で示した空間は空洞のため、その部分は衝撃で芯が折れやすい。

 

本来、芯を抑えている金部分から芯のパイプまでの距離があると、その空間は芯が裸の状態となります。そこに衝撃が加わると、芯が折れてしまうことが多いです。それを防ぐのが、芯詰まりを防止するパイプの構造です。写真を見てもらうとほとんど空間がないことがわかってもらえると思います。

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上と比較すると、ほとんど空間がないことがわかる。

 

この技術は特許申請されていて模倣ができないため、現存するシャープペンシルの中で、一番落としても芯が折れにくいシャープペンシルと言えるでしょう。この他にも、デルガードには魅力的なシステムが備わっています。

 

予言しよう。デルガードシステムの秀逸さは、競合を退ける。

デルガードは、独自のシステム「デルガードシステム」を搭載しています。クルトガでいう「クルトガエンジン」のように、コアになっている技術です。

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デルガード商品ページより拝借

デルガードには2種類のバネがあり、それぞれが、「たて方向の筆圧」、「斜め方向の筆圧」のそれぞれを軽減します。この②「斜めの筆圧」が特に重要で、こちらに関しては特許で網羅できているようです。

 

斜め書きへの対応は、芯を折りやすい人に対してはかなり有効なはずです。前回の記事に書いたように、芯の折やすさについては、以下の法則があります。

 

芯の折りやすさ=(持ち方による芯への負担)×(筆圧の強さ)

 

デルガードのデルガードシステムは、この2要素のすべてを解決しますが、「縦持ち」と「斜め持ち」の両方ともに技術で対応しているところが感動です。オレンズの場合、斜めに必要以上に力を入れれば折れますが、デルガードは、さらに折れにくいです。芯の折れにくさについて言うと、デルガードは、現存するすべてのシャープペンシル中、最高だと思われます。

 

 

縦の筆圧を抑えるバネに関しては特許で網羅できなかった(そもそも発明と判断されず、特許の要件を満たしていない可能性はある)ようで、このバネのデザインを元に、3社ほどの模倣品が市場に現れています。

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上:デルガード 下:パイロットのモグラー。デザインが似ているが、能力は少し書いてみるとすぐわかる。潜って筆圧を抑えるより、「デル」ガードの方が違和感を感じないため、優秀。

 

しかし、使って比べてみると、一目瞭然。ただ芯パイプが引っ込んで筆圧をかわすPILOTのモグラーでは、デルガードシステムには遠く及びません。むしろ、逆に書く際に違和感があります。一方、デルガードではきつめに筆圧かけているのに違和感をほとんど感じさせずに筆圧を受け止めます。デルガードシステムの圧勝と言えます。

 

今は新商品として模倣商品がデルガードの売り場を一部占拠していますが、実力差はきっと数字に出てくるかと思われます。実際、数店舗回ってみましたが、気づいているところは既に気づいています。丸善は大々的にデルガードを推していました。

 

デルガードは、模倣品では足元にも及ばない、素晴らしい商品だと感じます。今後、オレンズと好勝負を展開してゆくと予想します。

 

以上、デルガードのマーケティング分析でした。

 

制作:ゆるリサーチ

提供:あたまのなかのユニバース

 




 

やてん

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