デルガードの「デルケシ」は試験には使いにくい? デルガード、モノグラフをマーケティング分析
こんにちは、「筆記具マーケター」のやてんです。色々な僕の中から、今回はシャープペンシルのマーケターとしての僕が記事をまとめます(別に、複数人で書いている訳ではありません)。
今回のマーケティング分析の対象は、ゼブラのデルガード(TYPE-ER)と、トンボのモノグラフです。これらの商品の特徴は、シャープペンシル本体に内蔵された消しゴム(以下、内蔵消しゴム)です。内蔵消しゴムは、細いものが多く、「折れないか不安」「消すのに時間がかかる」との理由で使われず、消しゴムを別で持っている方が多いと思います。
ですが、以下の場合には、消しゴムを別で持つのが少々不便と感じるのではないでしょうか。
- 時間に追われているとき(目で消しゴムを探したくないとき。)
- 筆箱から取り出したくない(外出時など)とき
結論から言うと、これらはデルガード、モノグラフが解決してくれます。まずは、デルガードから見てゆきます。
新たな機能「デルケシ」で筆記試験中のストレスをさらに軽減、するはずだったが・・
デルガードの「デルガードシステム」に関しては、以前の記事で語りに語ったので、今回は割愛します。簡単にまとめると、デルガードは、筆記試験のために生み出された「芯が折れない」シャープペンシルです。今回の内蔵消しゴムモデルでは、その機能に加えて、内蔵消しゴムの機能が追加されています。
試験中、消しゴムに関して懸念を感じることはあると思います。「肘や手でつついて落としたくない」「持ち替えて消す暇も惜しい」「目線を切りたくないくらい集中している」「電卓も使うからスペースを節約したい」などです。一番大きい理由は、はじめに述べた「肘や手ででつつく」ですかね。気にしないようにすることは、気にしているのと同じで、意識をそちらに割いてしまいます。そうなると、せっかくの集中力が勿体無いですよね。そこで、デルガードは、デルガードシステムに加えて、新機能「デルケシ」を装備しました。
ペンを逆さに向ければ、隠れている消しゴムがひょこっと出てきて、しかも、固定されるのです。えー・・、すごすぎる。すごすぎる・・のですが、ちょっと問題があります。実は、今回使ってみるまでは「デルガード1本で、試験を乗り越えられるレベル」と言うつもりだったのですが、使ってみると、意外と不自由です。
消し切るのには結局時間がかかる
ペンを消しゴムに持ち替え、字を消して、またペンに持ち替える、までするならば、持ち替えるだけのデルガードは機能性抜群のはずですが、消すまでに意外と時間がかかりました。内蔵消しゴムが大型化したとは言え、消しゴムを使って消すよりも消し切るまでの往復回数が多く、デルケシでは余計に時間がかかってしまいました。
今回僕が試したのはこういう場面です。中小企業診断士の2次試験では文字制限があり、空欄をうまく調整して埋めるために、書き直しをする場合もあります。実際の解答欄はこのノートのマス目より大きいいので合わせて字も大きく書きます。すると消しゴムで消す範囲もより広くなります。このマス目の字の小ささで消しゴムよりも時間をかけているようでは、実際の試験では使えそうにありません。
慣れの問題かもしれませんが、それを言い始めると、消しゴムへの持ち替えとて、慣れでどうとでもなります。筆圧の薄い僕の字を消すのにも時間がかかるのなら、デルガードのヘビーユーザー(筆圧が強く芯を折ってしまう人)にとっては、もっと消すのに時間がかかるでしょうし、デルケシ型にする意味はあまり感じられないかもしれません。
デルガードは使い手の問題を解消しているのか
さて、デルガードのコンセプトは、「試験中のストレス要因の排除」ですが、今回のデルケシ型は、従来型と比べてより多くのストレスを解消しているのでしょうか。個人的には「No」なのですが、他の用途で消す分には「Yes」になるかもしれませんので、その辺は使いながらさらに考えて行こうと思います。
続いて、モノグラフに関してです。デルガードのデルケシ型と、どう異なるのか。
モノグラフのターゲットは「筆箱を持つことが不都合なビジネスマン」
立ってメモをしたり、瞬時に手帳を出して書き留める必要があり、筆箱をカバンから出して(探す手間もいる)、というシーンが多いビジネスマンにとって、大きな消しゴムがついたシャープペンシルはありがたいのではないでしょうか。
僕も外出時に以前の記事で書いた「記憶のリュックサック」にメモするためには、モノグラフを使うようになりました。メモ帳に挟んでおけば、これだけで書くのも消すのも安心です。挟む際も、クリップがついていますから、落ちたり、カバンの中で暴れたりしにくいですし、重宝しています。小さいカバンのときも筆記具を持っておきたい自分としては、とても満足です。クリップに関してはなぜデルガードにつけなかったのかが不思議なのですが、試験中では持ち替えた時に邪魔になる思ったのかもしれませんね。
これでオレンズのように芯のパイプを引っ込められたらモノグラフはさらに安心でしたが、価格が350円で、最近のボーダー価格の450円を下回る価格ですので、感謝こそすれ、不満ではありません。
消しゴムの信頼性は、さすがMONO消しゴム
monoと言えば消しゴムですが、やはり、モノグラフの消しゴムも消しやすいです。消しやすさはデルガードを超えます。また、消しカスがまとまるところが、さすが、消しゴムを研究してきたメーカーだと感じます。
また、消しゴムサイズもデルガードより大きいので、消せる範囲も広いです。さらに言うと、デルガードの場合、傾ければ消しゴムが出てきて固定されるものの、キャップ自体と本体の間に空間があるので、少々ぐらつきます。ノックをクリップではなくキャップで行うように設計したため、仕方がありませんが、消しゴムの安定感は、モノグラフに軍配が上がります。
オレンズ、デルガードユーザーはモノグラフでは芯を折りそう
デルガードとの違いと言えばもちろんここです。オレンズやデルガードのユーザー(つまり、筆圧が強く、芯を折りやすい人)にはモノグラフをオススメできません。モノグラフは一回のノックで出る芯の長さが長いので、芯を折るリスクが高いです。フレフレ機能で芯を出すと芯が出過ぎ、結局戻さなければならないし、オレンズやデルガードを重宝なさっている方には向きません。僕がモノグラフを使えるのは、筆圧が弱いからでしょう。
本当に惜しいです。メモを取ることが多い人に勧めるなら間違いなくモノグラフなのですが、メモ中に芯を折りやすい方は、モノグラフではなくデルガードの方がいいかもしれません。ただし、挟めないのがネックなので、スーツのポケットなどに入れておく必要はありそうですが。
まとめ
デルガードは、もともと筆記試験用に開発されたシャープペンシルですが、今回の追加機能である内蔵消しゴムは、筆記試験には向かないかもしれません。消すのに何往復も必要で、余計に時間がかかる可能性があります。デルガードを使う程筆圧が強いならば、余計にだと思います。選ぶ際に、自分がどの程度消しゴムを使っているか考えて判断した方が良いのだろうと思います。
個人的には、芯を折ってしまう方は、基本的には消しゴムは別で用意した方がいい、と言う結論になります。芯を折るならモノグラフはNGですし、かと言ってデルガードでカバーできるかと言えば、不安が残ります。この領域は難しいですね・・。
ちなみに、芯を折らない(筆圧が弱い)方で、一本でメモ帳を書いたり消したりしたい、と言う方は、シャープペンシルの中でモノグラフが最もオススメですね。個人的にポイントが高いのは、消しカスがまとまってくれるところです。デルガードの消しゴムは、消した後にノートにゴムの細かいカスが残るのも気になります。
モノグラフには、ゴムのグリップがついたデザインのものも450円で販売されていますので、そちらも良いと思います。
今回のデルケシ型のデルガードは個人的にイマイチでしたが、コア機能のデルガードは相変わらずいい機能ですし、今後の活躍に期待です。モノグラフに関しては、個人的にはフレフレ機能がなくなって欲しいと思う次第です。僕はドクターグリップ時代からあの金属の芯が嫌いで、ドクターグリップを使っていたときも、あの芯は抜いていました。モノグラフは構造上抜けないようなので、フレフレじゃないモノグラフを僕は所望します!それから、芯のパイプしまえるようにしてください!
とか色々言いましたが、モノグラフ、持ち運びの相棒には最高のシャープペンシルです。
今回紹介したシャープペンシル達
制作:メディアに学ぶ
提供:あたまのなかのユニバース