地域再生は誰でも始められる「凡人のための地域再生入門」感想

商店街に関して記事書いたり、農業の現状や地域の良さとか紹介してはいても、「仮に自分が地域再生をするなら、何をするのか?何から始めるのか?」を実際に考えると、ボヤッとしてしまうことに最近気がつきました。その課題を感じてはいても、実際に地域の再生がどのように行われているのかとか、どんな経緯を辿ってきたのかとかを学んで来なかったことを反省しました。

 

そこで、これまでの地域再生がどのように行われてきたか。今、どうなっているのか、などを今後しっかり本などを読んで調べていこうと思いました。そんなところから始まり、検索をかけたら「入門」とタイトルにあったので、読んでみようと思いました。

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今回の記事では、この本を読んで感じたことをまとめておこうと思います。ちなみに、小説形式で、中に実態と細かな解説が書かれた注釈や「コラム」が記載されているのがこの本の特徴です。ただの小説ではありません。

 

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たくさん注釈が書かれている。

僕がこの本を読んでみて感じたことは三つあります。一つ目は「数字とお金は違う」ということ。二つ目は「工夫が最重要」ということ。そして最後に、「悩まずに考える」ことです。それぞれ順番にまとめてゆこうと思います。

 

「数字」はロジカルだが「お金」はエモーショナル

まず一つ目ですが、数字とお金は違うのだということをこの本を読んで感じました。この本の筆者の木下斉(きのしたひとし)さんは、地域再生の関する本を本書以外にも書かれていますが、この本には他の本にはない部分があるようで、それが地域再生に必要な「ロジック」だけでなく「情(エモーション)」との両輪を書き綴ったところだそうです。

 

このことに当てはめて感じたのが、「数字とお金は違う」ことでした。数字というのは、ロジカルです。この本で重要視されている「先回り営業、逆算開発」はまさに数字のいい例です。数字とは具体的に言うと、人数(客数)とか価格(客単価)のことですが、これには感情的要素が入る余地がありません。

 

上で述べた「数字」というのは、単純な人数や金額を表しますが、「お金」という言葉を使うと、妙に人の体温を感じます。この本では特にそうでした。帯に「補助金が地方のガンなんや!」と大きな字で書かれていますが、その通りだと感じました。「お金」は人の感情、思惑を纏います。つまり、「お金」はロジックだけでは動きません。数字は説得力を上げてはくれますし想像しやすくしてくれますが、実際に「お金」が動く際には「感情」も動きます。

 

本書では、「思惑を纏うお金を動かす行政」とは手を取り合ってはいけないことをリアリティのあるエピソードを通して感じさせてくれます。逆に、熱を帯び「地元をよくしたい」という理念や覚悟を纏ったお金があるところには、似たような考えの人が集まってくるのだとも感じました。数字を使ってロジカルに考え、思考のツールにすることは大切ですが、「お金」と言う数字を扱う場合は、それが纏う感情も考えなければならないのだと感じました。

 

工夫が最重要

単純な話ですが、工夫が最重要だと感じます。木下さんは本書を通して「地元を変えるのはスーパーマンではない」ことと、「地方再生は誰でも始めることはできる」と言うことを伝えたい、と書かれています。これは結局を言うと、「何かに期待しない」ことですし、外からのものに期待しないのであれば、「自分が何ができるか」をひたむきに考えることが必要だということでしょう。

 

その際に必要なのが、「工夫」だと感じました。どんなことでも、「〇〇が必要」と言う前に他で転用するとか方法を考えるワンクッションは必要だと思います。これは、資金の流出も防ぐ役割になりますし、単純に考える力もつきます。また、上で述べた「勘違いマインドを纏ったお金」を頼りにする精神を追っ払うこともできます。もしかしたら、「工夫」とは「諦めないこと」かもしれません。

 

また、「地方再生は誰でも始めることはできる」に関しては、コラムで書かれたことが関係すると思います。「何もないところからただ会社をやめるのは違う。けど、だらだら居続けるのもよくない」「まずは、その地元の中で頑張って稼いでいる人と繋がることから始める」と書かれています。確かにこれなら誰でも始められます。これの何が「工夫」と繋がるかですが、特に後者が「工夫」と関係します。地元に頑張っているところが「ない」と諦めるのではなく、探し方を変えたり、人の話を聞いたりなど、諦めずに考えることが必要になります。これも「工夫」ではないでしょうか。

 

また、頑張っている人と一緒にやらせてもらうのにも、工夫が必要だと思います。相手に自分を知ってもらう過程では、自分の魅力的な部分、人間的な強みを相手に伝えたり、課題意識の共有をしたりすることが重要でしょうし、それはただ一回会っただけでは現実ではできないものなのだろうと思います。そこでも、「どうすればいいか」を考える工夫の精神が必要でしょう。

 

また、事業を失敗をしたときの回復力も、この工夫の考え方に依存するとも、本書のエピソードを読みながら感じました。

 

悩まずに考える

どこかで聞いたことがあると思われる方もみえるかもしれません。この言葉は「イシューからはじめよ」という本で説明されていることです。「悩む」とは、ボヤッと思索にふけることで、その終着点がないことが特徴です。一方、「考える」とは明確なゴールがあり、その上で論理を組み立てることです。上で取り上げた「先回り営業 逆算開発」はまさにそれです。

 

物語に出てくる佐田というキャラクターが主人公の瀬戸に話すセリフに、こういうものがあります

「そんなもん、この場所で決めても1週間後に決めても内容変わるか?」

「逆算や逆算」

「ようわからんままに、誰がはいるのかの営業もせんと改築費をかけようとするから不安になるし、失敗するって思うねん。それは考えてるんやなくて、単に不安になっとるだけや。・・・(略)」

物語の冒頭で、初めに「先回り営業 逆算開発」を示している場面ですが、ここを読んだだけでも価値があると思いました。「考える」とは逆算のことで、「逆算」出ないならそれは「考える」ことではないのかもしれない、と感じました。

 

とりあえず、この本を紹介することから初めてみた

僕の地元は地域再生が必要な街ではありません。むしろ住みやすくて人口が増えている街なのだそうです。だから、僕が自分の地元で地方再生をすることはなさそうです。それでも僕は、愛着とか関係なく日本の地方を再生したいです。ですから、どこかの地域の現場に入って、そこの再生をしたいと思っています。

 

まずはそれに役立てる農業の専門性を磨くのと並行して、地域の現場に足を運び、「頑張っている人を見つける」ことから始めようと思います。そういった地域の所感やインタビューは、また都度記事にしてゆこうと思っています。

 

それよりも前に、まずはブログを使ってこの本を紹介することから初めてみました。この記事を読んだことによって興味を持ってくれる人がこの本を手に取り、見えないところでも同志が増えてくれたら嬉しいです。

やてん

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