肥料取締制度に係る意見交換会 第二回に参加してきました。戦略性を伸ばす制度作りとは

前のページに引き続き、最後に4つ目のポイントについてまとめようと思います。1つ目のポイントは1ページに、2つ目と3つ目のポイントは2ページにまとめています。

4つのポイント

有機肥料の表示・原料

化成肥料などの表示

混合堆肥複合肥料、庭先配合について

制度以外の問題(消費者への理解など)

「食のインフラの原料=肥料」として、もう少し消費者への啓発が必要ではないか

4つ目のポイント、と言うか、この制度含めそうなのですが、もう少し、肥料と言うものについて、消費者の理解を得る取り組みが必要ではないか、と議題に上がりました。

食のインフラとは、農業のことです。僕ら消費者は、野菜や米があることが、まるで呼吸ように感じてしまっているがために、調理されたものだけに関心が偏りすぎているのではないか、と言うのです。これは全く同感であり、農業に関しての啓蒙活動は、このブログの一つの目的でもあります。

農業とは?と言うことに関して、無関心すぎる一方で、安全が脅かされるときにだけ、責任を生産者に押し付けている姿は立派とは言えませんし、教養にかけると感じています。化学肥料はいけない。有機野菜は安心安全?有機肥料の製造工程で、肥料に何が混ざっているのか、その立ち入り検査に骨を折るのにですか?

情報が一側面からのみ語られることが多いこともあってか、妙に偏った考え方が広まっています。「本当はどうなんだ?」と言うことを皆に関心を持ってもらってほしい。この話はどこに向かったかと言うと、以下に書くようなことです。

「野菜があることを当たり前だと思わないでほしい。このまま今の農業を続けると、土壌が痩せてしまう。そのためには、混合堆肥複合肥料のような肥料を用いたり、土壌分析によって土壌を改良する必要がある。そのために、大きな工場を作る必要もあるし、お金がいる。そういう公共投資があって、初めて持続可能な農業が成り立つのだから、もう少し、みんなで農業に投資してあげよう。今まで無理して頑張った土壌に、還元してあげよう。」

こういうことを、消費者に語りかけてゆくことが大事ではないか?という結論です。もうその通りです。

そしてもう一つ。この記事のタイトルにもなっていますが・・

戦略的な制度作りを行ってゆく

そもそも、農業に関しては、土地柄によって全く土質も異なり、標高、天候が異なるのに、全国的な標準の栽培暦が作られていたりして、その暦は、ほとんど役に立ちません。それをまねる人はいるようですが、もちろんうまくゆきません。

農家には、環境を見て先を読む目利きの力や、それに合わせて収量を安定させる臨機応変な栽培技術を身につけることを求められています。その一つの道具として、肥料があるわけなのですが、栽培暦のようなもので、「元肥で窒素〇〇㎏」との表記は、信用できない指標なのです。地域差が大きいのだから、標準のものを作ろうと思うとのっぺりしてしまう。

そのため、農家側でも肥料に関して積極的に考える機会を作り、農家の「脳の体力(ソフトの面と会議では言われていた)」を、全体的に上げる必要があるのだと、各委員の方は言われておりました。

そのために、県の中に埋もれてしまっているデータを、もっと活用しやすいようにまとめてゆくことが必要です。また、農政局に窓口のようなところを設けて、「農家が自分から相談する機会」を作るなど、行動する力を自然とつけられる仕組みにしてゆこう。そのための、肥料取締制度の意見交換会だと。制度を変えるのは、整理するのはもちろんのこと、その先の農業の成長を見据えてのものであるという委員の皆さんの意気込みが伝わってきました。

実際に今回委員の方がまとめて来られたプレゼンには「県に埋もれたデータ」がたくさんあったようで、農政局の方が「本当に、データはあるにはあるのだと感じた」とおっしゃられていたのが個人的に印象的でした。

これは、農業系の文献(農研機構の論文などもそうだが)が、先ほど申し上げたようなデータベースの整備により統合され、僕らのような農業系への従事者にも読みやすくなる可能性を示唆していると思います。今後が楽しみです。第三回の参加に、期待が膨らみます1

おわりに

今回参加してみて、自分の知っている肥料の世界とはちょっと違う議論がされていたなと思います。もしかしたら全国的には、議論がされているような流れになっていて、自分がいた地域は少々遅れていたのかもしれない、と感じました。

また以前おつきあいがあった農家さんへ顔を向けに行くこともあるだろうから、その時にでも、また今回の話をしてみようと思います。また、自分の周りにも、僕とのタキイ専門学校の同期がいますので、彼らとも情報交換しながら、肥料自体だけでなく、その周辺事情に関しても、調査してゆこうと思います。

とりあえず、第三回の参加がとても楽しみです!

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今回、この意見交換会が開催される旨を知ったのは、農水省が無料で配布しているメールマガジンに記載があったためです。他にも様々な情報を毎週配信してくれていますので、ぜひ、ご登録してみてください!

ちなみに、僕は農水省、経済産業省、特許庁のメールマガジンに登録し、情報が勝手に入ってくるようにしています。無料にも関わらず、結構貴重な話が見られますし、わざわざホームページを見るのを習慣化しなくてもいいので、情報収集の手段として重宝しています。

いろんな情報調達手段を駆使して、新しい情報を手に入れ、将来のビジョン策定などに生かしてもらえたらと思います。

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やてん

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