肥料取締制度に係る意見交換会 第二回に参加してきました。戦略性を伸ばす制度作りとは

こんにちは、やてんです。以前に行ってきた「肥料取締制度に係る意見交換会」の第2回目に参加してきました。第1回の意見交換会に関しての記事はこちらです。

今回の会の最後で、少々今後の展望に関しても触れていましたが、その中で感じたのは「制度によって、農家の戦略性を育てる」意思を会議が纏っていたということです。

議論の内容は、それぞれの委員(肥料メーカー、肥料卸、土壌学者の方々)が発表した意見を4つのポイントににまとめ直し、各ポイントについて意見を交換し合うものです。4つのポイントは、以下の通りです

有機肥料の表示・原料

化成肥料などの表示

混合堆肥複合肥料、庭先配合について

制度以外の問題(消費者への理解など)

上から3つは肥料に関わる制度の話です。その中でも、1つ目の「有機肥料の表示・原料」に関しては議論が活発に行われていました。

今回はその1つ目の「有機肥料の表示・原料」に関して、その議論の内容と、自分が感じたことをまとめます。

有機肥料の表示と原料の調達

この議論が行われる背景には、各種有機肥料の原料(以下、有機原料と呼ぶ)が土壌に及ぼす影響が色々わかってきたことが挙げられます。代表的なものには、有機原料ごとに、それを好む微生物が異なる、などです。そして、生産者側も、それらの情報から原料を厳密に精査して肥料を選ぶようになってきている、というのです。

hyo_1
肥料の表示形式。これでも十分細かい笑

そこで、より詳細に知りたがる人のために、細かくその表示事項を設けたほうが良いという意見と、記載自体は、生産者が使用する現場で確認する際に留意する点に留め、そのほかの開示情報に関しては、農政局に窓口を設け、登録情報を個別に伝えるようにしてはどうかという意見がありました。

この議論は、個人的には「?」でした。というのも、今まで僕が回っていた地域ではそもそも複数の有機肥料が倉庫にあるような方がいなかったからです。農家全体に対して、有機肥料の原料と、原料の組み合わせ比率まで掌握して使われている方は、いったいどれくらいいるのか、とか、そこは明確に市場調査とそれに伴ったセグメンテーションをすべきところだと感じます。

議論の流れをみると、後者の意見が採用される可能性が高いかと思われます。有機原料の種類とその配合を明記することによって、企業秘密まで明らかにしてしまう可能性があるとメーカーの方が言われていたためです。この詳細の議論に関しては、第3回が開催されるようなので、そこで明らかになるかと思われますので、気になる方はしばしお待ちください。

原料の安全性の保証と各工程の情報開示

次に必要だと言われたのは、肥料製造のガイドラインです。各工程において原料や製造方法の安全を保証できるよう、肥料生産のサプライチェーン全体の情報のアーカイブやその管理に関してガイドラインを作るべきとのことです。

この背景には、原料が原因で作物の安全性に疑問が持たれたことがあるようです。2012年に起きた漬物への0−157混入に関して、圃場に投入された牛糞堆肥に原因があるのではないか?という疑問が上がったことが代表だそうです。それらの問題から、肥料の原料が食品に影響を与えるの可能性が示唆され、その安全性の表明が求められているのだそうです。

その一方で、肥料の配合過程や各種調達段階は複雑です。委員には肥料の製造現場への立ち入りをされている全農の方もみえたのですが、混ぜられた原料に関してはどんどん枝分かれしていって、どこかで把握できなくなるとのことです。それでも開示のために、骨を折って製造工程を明らかにされたそうです。

この議論に関してはその必要性は語られたのですが、落とし所がみえませんでした。おそらく、メーカーや卸の方にとっても、「デカい山」なのだと思います。原料の保証は、肥料の表示にも関わってくることです。肥料の表示、原料の保証表、製造過程の製造設計書、製造指図書の全てが紐づいている帳簿を用意する必要があるとは、頭でわかってはいても、実際に制度化されて実行するとなると・・。大変です。

ただ、この問題に関しては、最近話題のブロックチェーンという技術が使えるのではないかと思います。ビットコインで有名になったこの仕組みは、ある取引と次の取引の情報を紐づけることによって、その紐づけをそれ以外の情報で上書きしたりできなくする仕組みで、この仕組みのために、ビットコインは信用されているといっても過言ではありません。

肥料の原料に関しても、その製造に使った原料、工程と、詳しい製造ライン情報などを紐付けして、ひとブロックにして、輸送する原料に付与して次の製造段階へ進めれば、製造されたものがどの段階まで正しかったかも確認しやすいですし、肥料の表示とそれよりも上流の工程まで全ての情報が繋がっていますので、確認もしやすいです。

ただし、情報の開示に対しては、製造工程の漏洩などの心配がありますので、不正競争などが起こらない配慮は必要だと思います。これに関しては、上に書いた原料の混合比率の開示と同じく、農政局の窓口を作り申請を出す、などがあげられるでしょう。もちろん、ブロックチェーンが使われる前提での話をしていますので、それ以外の結論に至る可能性もあります。何れにせよ、インターネット上で細かく管理されてゆくだろうとは思います。

やはり、議論も熱かっただけにまとめても長いです。これらは議論における論点のほんの一部ではありますが、重要度が高いものでもありますので、1ページ丸々使ってまとめました。次のページでは、二つ目と三つ目に関してまとめてゆこうと思います。

1 2 3

やてん

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメントする