冬〜春にも日本のカボチャが食べられる?カボチャ新品種 ’おいとけ栗たん’ から見るカボチャの将来

もうすぐ、カボチャはニュージーランド産になります。

 

こんにちは、やてんです。

 

これは私見かもしれませんが、カボチャは夏より冬によく食べたくなります。夏にカボチャを食べるというと、夏野菜カレーしか思い浮かばないのです。

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Cafe nikoさんより。

カボチャといえば煮物。煮物といえば秋〜冬。そんな自分にとって、最近農研機構から発表された新品種はインパクトが大きかったです。今回は、その新品種、’おいとけ栗たん’ について、私見を述べます。

 

’おいとけ栗たん’は冬〜春先に出荷するカボチャ

’おいとけ栗たん’は、農研機構と渡辺採種場が共同で育成した品種です。この品種において一番インパクトが大きいのは、その出荷時期です。

 

カボチャは前述の通り夏野菜で、早くても5月〜9月の出荷です。遅くに始める抑制栽培という栽培方法で収穫を遅らせても、最後の北海道産は12月くらいまでで終わってしまう。以降は、海外産(ほとんどメキシコかニュージーランド)で売り場は埋まってしまいます。

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カボチャの月別出荷状況

 

今回発表された’おいとけ栗たん’は、その時期に出荷が可能な品種であり、カボチャ界には激震が走っています。単純に考えれば、みんなが作れないところでカボチャを出荷できるのです。当然単価も高くなり、儲かるでしょう。

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’おいとけ栗たん’の栽培スケジュール。上の棒グラフでメキシコ、ニュージーランド産が増えてくる時期に出荷ができる

 

つるが短かく、まるでズッキーニのよう。作業性も抜群

栽培面でカボチャを考えると、カボチャはウリ類なので、つる性の作物です。多くのカボチャ農家は、つるを地面(あるいはビニール)の上に這わせて育てますが、つるの管理は非常に面倒です。

 

僕もカボチャを栽培していた時期がありますが、株元から離れたところに果実が成り、着果のチェックは非常に面倒でしたし、収穫も大変です。

 

一方で、同じカボチャのズッキーニは、その姿が立っているため、コンパクトで面積を取らないし、果実が株元にあるので管理も収穫も楽です。

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サカタのタネより

 

 

もうお分かりかもしれませんが、’おいとけ栗たん’は、姿がまるでズッキーニのようなのです。つまり、今までよりも少ない面積で今までと同等の収穫量を取ることができ、かつ管理が容易です。

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左の’えびす’は、広い面積を使っており、’おいとけ栗たん’はコンパクトな体型をしていることがわかるだろう

 

 

従来の品種’えびす’よりも甘い。まさか’ロロン’よりも?いいとこ取り過ぎる。

現在、日本で出回っているカボチャのうち50%はタキイ種苗の’えびす’という品種です。作りやすく、甘くて素晴らしい品種と言われています。ただ、元気がいいのでつるがよく伸び、管理は大変です。

 

一方、’おいとけ栗たん’ は、上で述べた「管理しやすい」特徴に加え、えびすよりも甘いというのです。

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『品種』の隣のBrixというのが糖度です。えびすの13.6でもみかんより甘いが、17.2という数字は、完熟した高級メロン並の甘さです。

 

これだけ甘いとなると、今までは「日本一甘いカボチャ」と言われていたタキイ種苗の’ロロン’よりも甘いかもしれません。

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タキイ種苗の’ロロン’。「日本一甘いカボチャ」と言われている。品種ページ

 

今でこそ収穫時期が異なるので安心ですが、’おいとけ栗たん’の夏秋版が出てきたら、’ロロン’の「日本一甘い」称号は奪われるときがくるかもしれないのです。

 

’ロロン’はその甘さと引き換えに、ラグビーボール型から楕円形のカボチャへ戻すことができなかったという背景があり「直売所向け」になったのですが、甘さをもひっくり返されるとなると、カボチャのシェアはタキイから一気に渡辺へ変わるかもしれません。

 

こんないいとこ尽くしのカボチャ、病気にも強かったら本当にとんでもないですね。病害虫の抵抗性に関しては、情報が出回っていないため、今後に注目です。

 

今後もカボチャ栽培から目が離せない

今回紹介した’おいとけ栗たん’は、今までの夏秋栽培の裏でカボチャを栽培したい人向けの品種のため、従来の品種とは全くターゲットは異なります。

 

しかし、前述の通り、’えびす’や’ロロン’に比べて「つるの管理が楽で、しかも甘い」特徴を夏秋栽培のカボチャにも掛け合わせた品種が現れたとき、カボチャの栽培は一気に転換点を迎えるかもしれません。

 

今まで育ててきたカボチャの育て方が一気に変わる未来を想像してしまいました。

 

また、ズッキーニのような形をしており、株元に果実ができるということは、株ごと機械収穫をすることも可能と言えます。

 

北海道で膨大な面積でカボチャを栽培されている人にとって、手作業が機械に変わるのならば、作業全体を大きく改善してくれる可能性でもあるのです。

 

一つの品種が、その作物周辺の事情をひっくり返す可能性がある。これだから、品種改良は面白いのです。今後も、カボチャから目が離せません。

 

’おいとけ栗たん’の入手方法

渡辺採種場に状況を問い合わせたところ、今年は種の数が少ないため、「試験用」として小さい規格で販売しているとのことで、来年以降、順次販売してゆくとのことです。

 

お近くの種苗店にて問い合わせをお願いしますとのことですので、ご興味がありましたら、お近くの種苗店で問い合わせてみてください!

 

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下にリンクを貼っておきます。

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また、’おいとけ栗たん’の詳細と今回の参照データは以下から拝借しております。

農研機構:(研究成果) ざかい期向けかぼちゃ新品種「おいとけ栗たん」

 

 

 

 

 

 

やてん

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