ファストファッションの競合分析 王者に学ぶ、「強い経営」の共通点

ユニクロの服はお持ちですか?この質問をすると、「持っていない」と答える方のほうが少ないはずです。国内のファストファッション店舗のうち、店舗数ナンバーワンのユニクロですし、何にでも合わせやすいラインナップを展開しているだけあって、誰でも利用しやすいはずです。

 

ところが、ひとたび世界へ目を向けると、ユニクロの存在感は薄くなります。今回は、そんな話です。ファストファッション(SPA:製造小売業)の売上収益上位3つの企業を競合分析し、1位を1位たらしめている理由について考えてゆきます。

 

まず、順位を示しておきましょう。上位3位までの順位は、1位:INDITEX(読み:インディテックス ZARAなどを展開)、2位:H&Mグループ(H&Mを展開)、3位:ファーストリテイリング(おなじみ、ユニクロなど展開)です。意外ではないでしょうか。ユニクロの日本国内での圧倒的な支持がある一方、読者さん方におかれましては、ZARAに入ったことがない方のほうが多いのではないでしょうか。

 

ちなみに、僕も過去に人と一緒に入った経験はありましたが、この記事を書こうと思わなければ、一生涯、自分一人では入らなかったと思います。

 

そんな、日常から縁遠いZARAがSPAにおいて首位を取り、我らが愛しのユニクロが3位である理由について、今回は考えてゆきます。

 

The king of Fashion is… INDITEX?

まずは、弊ブログおなじみ、財務情報を確認してゆきましょう。以下は、2019年における各社の財務諸表から一部を抜粋し、整理したものです。

単位は百万円。なお、1ユーロ=120円、1クローナ12円で換算しています。

売上高においてインディテックスが首位であり、かつ注目すべきはその営業利益率です。ユニクロやH&Mの8%弱でさえ、SPA業界における平均値であり、目標であるといえます。

 

もっといえば、オンワードやワールドなど、メーカー企業が百貨店などに高い手数料を払う事に比べて、SPAは、製造と小売の両方を自社で統括する分、利益率が高い傾向にあります。また、仕入れを行うセレクトショップにおいては、原価が高くなりがちで、やはりSPAは、それらに比べても利益率が高い傾向にあります。つまり、ファッション業界全体で見ても、8%弱というSPAの営業利益率は高効率なはずなのです。

 

とすれば、なおインディテックスの営業利益率は異常値です。業態がほとんど同じであるにも関わらず、なぜインディテックスは他社の追随を許さない地位を築けるのでしょうか。ここには何か面白いものがありそうです。

 

以下では、その理由について考えられる事を整理してゆきます。

 

INDITEXの強さの理由

これも毎度おなじみ、その会社のすごさを、因数分解してみます。インディテックスの強さの理由を因数分解すると・・

やてん

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