【進撃メモ】今回の名言!進撃の巨人25巻 感想&学び
アニの外伝DVD付きの進撃の巨人25巻が家に届きました。
25巻の内容は別冊マガジンで毎月予習していたので、展開は知っており、流れを意識して復習をする感覚で読みました。すでに内容を知っていたのですが、雑誌で読むのと単行本で読むのは違いますね。物語の文脈を感じながら、セリフを噛み締めて読めていると感じます。
というのも、雑誌で読んでいる時は気がつかなかったエレンとライナーの一幕が、最近僕のお気に入りでして、なんで雑誌で読んだときに気がつかなかったんだろうと思っているのです。そのお気に入りの一幕は、ミカサの久しぶりの登場による、急激なハイテンションにかき消されてしまったのかもしれませんね。
ひょっとしたら、このミカサの登場を知っていたから、単行本も冷静に読めたのかもしれない。なんかそんな気がしてきた。
エレンには何かしら手はあるだろうと思っていましたが、まさかミカサの名前が出てくるとは・・しかも、見開き1枚使っての登場、そして、顔つきが大人になってる!テンション上がりますよね!?
どんな漫画もそうですが、時間をおいてのキャラの再登場って盛り上がりますよね!
さて、そんな華々しいシーンとはテンション打って変わって、今回ご紹介するお気に入りシーンは、こちらです。
すごく小さなコマですが、左下の、「海の外も 壁の中も 同じなんだ」のセリフが、今回、胸に刺さりました。
本来なら、テンションが上がったミカサ含め調査兵団再登場のお話なのですが、僕が収集している進撃の巨人のシーンは、以前の記事にもあるように、「人生に学ぶ」がテーマですので、今回はこちらの一幕で、僕が感じたことをご紹介します。
ライナーは、エレンの故郷の壁を壊し、巨人に襲わせた本人の一人です。ライナーのせいで、エレンは母を亡くし、故郷を奪われました。そのため、エレンは超大型、および鎧の巨人など、巨人を強く憎むこととなります。
しかし、壁の外にも人類は存在し、エレンたちがいる世界は、実は壁に囲まれた島国だったことが、22巻で発覚します。
さらに、その海の向こう、ライナーたちの故郷、マーレでの話が、22巻から25巻までで、こちらではエレンたち壁内人類の話ではなく、ライナーたちの話が展開されていました。そこで、ライナーの事情の詳細がわかってきます。
ライナー、アニ、ベルトルトら、「壁外人類」にとって、エレンたち壁内人類は「悪魔」であり、「敵」だと、彼らは、ある意味洗脳されてきました。壁を壊すときも、それを疑わなかったでしょう。中にいるのは悪魔だと。
しかし、壁内に侵入し、エレンたちと共に生活し、自分たちの秘密を知った仲間のマルコを殺してしまい・・。そんな中、ライナーの心は揺らぎます。
また、もう死んでしまいましたが、ベルトルトも同じでした。
壁の中で生活するうちに仲間意識が芽生えてしまい、「悪魔とは?敵とは?」と、逆に自分たちがしてきたことへの疑問が湧いてきてしまったのでしょう。
彼らを思うと胸が痛くなります。辛い立場を任されてしまったのですよね。
これらのシーンを思い出しての、エレンのセリフです。エレンは、自身も、敵国だと思っていたマーレへ潜入し、そのライナーの立場を理解します。
左ページのエレンの目を見ると、エレンもライナーと似たことを感じたのかな?と伺えます。
本筋に戻って、もう一回、件のシーンを振り返ります。
本当は、「敵」なんていないのかもしれません。しかし、僕らも、何かしらの敵意を自身に宿してしまうことがあります。
人は皆、考えることができるため、何かしらの集団に属します。ある国の国民だったり、友人のコミュニティだったり、大学のラボだったり。その「立場」が変わることによって、物事の見え方が変わる経験は、多くの方が経験されていることではないかと思います。
このような経験のことを「パラダイムシフト」というそうですが、パラダイムシフトを知ると、敵対とは、自身の内に持つ感情というよりは、自分が属する「立場」によって作られるのではないかと考えられます。
それを、進撃の巨人は教えてくれています。
2009年の韓国のWBCとか、そうなのではないでしょうか。マウンドに国旗立てられると気分がよくないのは、僕らが日本人であり、敗者だからでしょう。
韓国の選手は日本は竹島を自分たちから占領した国だと、自国の女性の権利を侵害したと教えられ(事実は異なるかもしれません。僕にはわかりません)、日本を倒すべき敵だと認識しているのかもしれない。
逆に日本だって、過去の記録を調べて「竹島は日本のものだ」と主張します。そして、その真偽の争点が報道されては「韓国は全く…」って多くの人は思っているのではないでしょうか。
本当にその考え方でいいのだろうか。そう思いました。一人の人間として、韓国の人と関われば、笑い合うこともできるのです。僕にも韓国に知り合いの人々がいますが、彼らは野球の勝敗に関しても気にしていないようです。
その人達のことを敵だと感じたら、注意です。そこには、「立場」が関係している可能性が高いです。そんなことを考えさせてくれた、一幕でした。
しかし、作者の諫山さんは、一体どんなものに触れて、この物語を書かれているのでしょうか。どうやって、この問いにたどり着いたのか。不思議でなりません。本当に上手にパラダイムシフトを描いていると感じます。
また、今回取り上げたような描写が多数出てくるこの作品が終わりを迎えるとき、一体、僕ら読者に、何を投げかけてくれるのか。非常に楽しみです。
皆さんにとって、「進撃の巨人」はどんな作品なのでしょうか。また、皆さんにとって、人生に響く作品は、何ですか?
26巻の感想をアップしました。こちらも読んでいただければ幸いです!
制作:メディアに学ぶ
提供:あたまのなかのユニバース