続・魂or肉体論 呪術廻戦から深める、デザインと世界観
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※この記事では、呪術廻戦のネタバレを多分に含みます。
以前の記事で僕は、呪術廻戦のキャラクターである真人の呪い「無為転変」は、デザインに似ている、という事を書きました。
以下、呪術廻戦3巻における件のシーンです。
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これをデザインに置き換えると、
・デザインをコンセプト(魂)に対する肉体であるとすれば、コンセプトを変えることで肉体も変えられる・デザイン(肉体)は、コンセプト(魂)から生まれる
ということも言えると、僕は考えました。
実は、この記事を書いた当初から、このコンセプト主導のデザイン(「無為転変」のデザイン)を定義すると、これとは別に、もう一つのデザインも定義できるな、と考えていました。
以前の記事では、アニメ版までしかチェックしていなかったので、呪術廻戦に絡めてデザインを語れるのが「無為転変」に留まりましたが、最近単行本版の最新巻まで読んで、その考えを膨らませられたので、それについて書きます。
トイレをトイレとなぜわかる?
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簡単な例が、画像の上側に載せたトイレのマークです。このマークは「REST ROOM」の文字がなくても、「この先にトイレがある」事を人に知らせることができるデザインです。これ、不思議ではないですか?
トイレを示したいなら、便座や、それに座る人を簡素化した図の方が伝わるはずです。ところが、僕らは男女が立っているだけで、それをトイレだと勝手に理解します。男女が矢印の同じ方に向かうなら、ラブホテルを想起してもおかしくないはずです。が、僕らはそれをトイレだと理解します。
おそらく、画像の下側くらいあからさまでないと、この先にあるものがトイレではなくラブホテルだと僕らは認知しないはずです。「REST ROOM(休憩所)」と、都合よく解釈して。
このような理解をする理由は、「このマークがトイレのマークである」と教わったからです。これを全く知らない人が見ると、何を示すのか理解できないはずです。「休憩所」もそうです。ラブホテルに短時間入ることを「休憩」と呼びますから。
コンセプト主導で作るマークであれば、すでにターゲットとなる人々が持っている予備知識の中からコンセプトが生まれ、そのコンセプトに沿ったデザインが作られるため、ひと目で何を示すのかが理解できるのです。上の画像におけるトイレのマークはその逆であると言えます。つまり、肉体から魂が生まれた、あるいは、肉体が魂である、という事です。
造形主導デザインの狙い
これと同様な事が、コンビニなどのロゴにも言えます。「7」と大きく書かれているだけでコンビニだと僕らは今や勝手に理解できるはずです。何かに「7」の文字が入っていようものなら、「これはセブンイレブンのPBか?」とさえ予想してしまうのではないでしょうか。
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ところが、セブンイレブンを知らない人(は絶滅危惧種でしょうが)が見ると、どんな施設かを理解できないはずです。
同じことが、コンビニ各社だけでなく、様々なお店に言えます。例えばスーツを販売するAOKIや青山も、モデルがスーツを着ている画像が印刷された横断幕やのぼりが店外や建物に設置されてはじめて、「スーツのお店なんだ」と理解できるはずです。他には、ガソリンスタンドもそうです。
なぜ、中身が伝わらないほど簡素なデザインにするのでしょうか。
テキストのコピーはできません。