”家事コ”リスナーが勝手に語る、好きな深夜ラジオとオススメポイント
何度か記事にもエピソードを登場させていますが、僕はラジオが好きです。家事をしたり、絵やグラフィックデザインを練習している最中に流しています。特に多いのが家事のときに流す事です。家事はやらなくてはいけない事で、やりたい事ではないので、その最中を楽しめるラジオは重宝しています。なんなら、ラジオを聴くために家事をするくらいです。
もともと高校生の頃からラジオを聴いており、メールを読まれた事もあります。景品として柿安の牛タンカレーが送られてきたときは嬉しかったですね。そのころはリアルタイムでしか聴けない時代だったのですが、今はラジオアプリのradiko(ラジコ)で好きなタイミングで聴けます。だからか、チェックする番組数はその頃に比べて格段に多くなりました。
ラジオが聴きやすくなっている一方で、周りにラジオを聴いている人が少なくて、好きな気持ちを共有できないのが寂しいです。ラジオを普段から聴いていると、ラジオ好きは意外と多いと感じるのですが、その絶対数は、テレビ・youtubeには劣りますし、好きなラジオ番組について語れる知り合いもほぼいないのです。おそらく、ラジオ好きあるあるではないでしょうか。
そういうわけで、自分の好きな気持ちを発散させるために、今回は、勝手気ままに自分の好きなラジオを紹介しようと思います。聴いている番組数は20近くあるのですが、その中でも特に多いのが深夜ラジオなので、深夜ラジオについて語ります!今回は曜日毎にテーマを設けて紹介をしてゆきます!
月曜日:トークに酔いしれる
月曜日の番組でよく聴くのは、以下の二つです
- 菅田将暉のオールナイトニッポン
- 月曜JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力
菅田将暉のオールナイトニッポン(ニッポン放送)
後のYOASOBIの項でもAyasaさんについて語りますが、菅田さんは僕と同学年で、生まれた日も4日しか変わらないという事で親近感が湧く話が多いです。20代後半の人は、共感できるエピソードがもり沢山ではないかと思います。
中でも、菅田さんは無類の漫画好きであり、漫画例えが多いところが個人的に好きなポイントです。好きな漫画が世代にドンピシャで、懐かしさもあります。「焼きたて!!ジャぱん」の話は笑いました。
二つ目のポイントは、ゲスト回です。オールナイトニッポンは2ヶ月に1回、スペシャルウィークという週があり、その週にはゲストが出演される事が多いのですが、ゲストに俳優さんが出演される回は面白さ3倍増しです。個人的には、松坂桃李さん回が特に好きです。映画の告知で出演しているはずなのに、その映画の告知を遊戯王で例えるという盛大なボケには、笑いました。遊戯王好きにはたまらない回です。きっとまた出てくれるので、興味があればチェックしてみて欲しいです。
他にも、中村倫也さん、神木隆之介さんなど共演俳優さんがゲストに登場され、裏話をしてくれるので、出演作を観られる方にもオススメです。
最後のポイントは、放送作家(メール選びやカンペ出し、台本作りをする人)の福田さんとのやりとりです。福田さんが担当されているオールナイトニッポンはどの番組も面白いです。カンペ出しやメール選びがうまいので、毎週番組が一つのコントのようになっています。毎回爆笑できるところがあり、そのために、つい毎回聴いてしまうのです。
菅田さんはもともと関西の方ですので、関西弁でリスナーのメールを読んだり、ツッコミが上手いのも手伝って、話の面白さの底上げになっているのもあるかもしれません。結局その奇妙な面白さを求めて、つい毎週聴いてしまいます。逆に、このなぜか求めてしまう感じがないラジオは、毎週聴かなくなるので不思議なものです。
月曜JUNK伊集院光 深夜の馬鹿力(TBSラジオ)
伊集院光さんは、現在はお笑いタレントですが、落語家さんとしても活動されていた過去があり、それがこのラジオの面白さの一つを構成していると感じます。
実は、仮に一人でラジオをやるとしても、コーナーとメールと音楽で時間を埋めれば、パーソナリティーがトーク力を発揮させなくても(当然トーク力は必要だが)放送をこなす事は可能ですし、ラジオのパーソナリティーの多くはこうして番組をこなしていると感じます(音楽番組はそもそも音楽がメインなので、当然といえば当然ですが)。
一方、伊集院さんのラジオは、伊集院さんが日々の時事ネタについての感想や推察を話しているだけで尺を埋められるな、と思えるくらい安定感があります。この話題でよく10分以上面白く話せるな、と頻繁に感じます。
また、リスナーにまず問いかけ、それに答え、「って言ったらこういう風に思う人いると思うけど、」という風に、一人で会話を展開させて、トークを深くして面白くしてくれます。この技術は、落語に近いところがあると思っていて、そこが伊集院さんのラジオの面白さに繋がっているんだな、と思います。
もう一つの面白いポイントは、時事ネタに対するスタンスの持ち方です。伊集院さんは、ある問題に対して、必ずと言って良いくらい、「自分ならこう考える」というスタンスを持っています。例えば、最近の話で言うと、五輪の野球に関して、「メジャーリーガーは契約で代表に出られないからアメリカは優勝できない」という論調に、「契約で出られない事を持ち出す時点でアメリカの野球は弱い」など、はっきりとしたスタンスを持ってくれています。
問題を解決に導いてゆく上で最も重要なのはスタンスを持つ事だと僕は常に思っていて、どっちつかずで仮説が深まらない状態では、情報収集をしても意味が出る事はほぼないとも思っています。もちろん、スタンスを支持する根拠もなくてはなりません。そういう自分にとって、はっきりと意見と根拠を言ってくれる伊集院さんの話には建設的なものを感じるし、耳を傾けようと思います。
どっちつかずではダメ。スタンスだけで論拠がないのもダメ。今回の五輪のようなデリケートな問題に対しても意見を言えるからこそ、この人のラジオを聴いてしまうのだな、と感じます。
火曜日:アーティストチューズデー(すべてニッポン放送)
火曜日の番組は、オールナイトニッポン三兄弟です。
- YOASOBIのオールナイトニッポンX(クロス)
- 星野源のオールナイトニッポン(1部)
- CreepyNutsのオールナイトニッポン0(ゼロ, 2部とも呼ばれる)
YOASOBIのオールナイトニッポンX(クロス)
クロスは、アルファベットのXで、クロスです!シュシュッ!!
YOASOBI ボーカル ikura
2021年4月から始まったオールナイトニッポンの新ライン、X(クロス)の火曜日担当は、今や大人気、YOASOBIのお二人です。上の一文は、ボーカルのikuraさんが番組のTwitterハッシュタグの説明をするときの定型文です。ここでテンション上げているのが可愛いです。
この番組の面白さの一つ目のポイントは、深夜ラジオとは思えないほどの、ほのぼのしたメールテーマ(美味しいおやさい、おいしい朝ごはん、など)です。これは、ボーカルのikuraさんの天真爛漫な性格が出ているところだと思います。そのikuraさんを適当にいなすAyaseさんとの掛け合いがポップなコントチックでつい笑えますし、癒されます。たまに出るAyaseスイッチにも注目です。
二つ目のポイントが、菅田さんのANN(オールナイトニッポンの略。以下これを使います)の項でも触れた、年齢層の近さです。僕はAyaseさんと年齢が一つ違いなので、学生時代の「あるある」が被り、共感できる事が多いです。
特に、スポンサーであるセゾンカードとのタイアップコーナー、「我等友情永久不滅」では、懐かしの学生時代のあるある(カバンの中でぶちまけるシーブリーズ、など)がメールテーマなのですが、これには毎週共感しますし、ツボをついてくるメールで、忘れていた記憶が一気に吹き出てきます。メールを読む際には、当時の懐メロも流れて、懐かしさが爆発するのも、ポイントです。
最後に、やはり触れなければならないのは、曲作りの裏話が聴ける事です。YOASOBIの楽曲ファンとしてはこれ以上ないトークが聴けます。「ラブレター」の制作話は本当に感動しますし、その話のあとにこの曲を初めてラジオで聴いたとき、思わず涙が溢れました。それ以来何度聴いてもその裏話を思い出して鳥肌が立ちます。
ラブレターの制作話の文面は、こちらの記事でご覧いただけます。下に楽曲を貼っておいたので、興味ある方はぜひ記事の内容を噛み締めながら「ラブレター」を聴いてほしいです。
星野源のオールナイトニッポン
これまでもこれからも、新しい道を一人で開拓する、星野源さんらしいラジオです。一般的に、「ポップ」、「癒し」、「優しい」印象を持たれている人が多いですが、このラジオを聴いている人は、源さんに「反骨」「批判」というマイナスのパワーを感じる人も多いはずです。
新しい事をやるという事は、ときには、今まであるものを否定する事にもなります。源さんは、「もっと自由で、もっと楽しもうよ」と、ご自身の曲作りや、マルチな活動から僕らに教えてくれます。今や珍しくはないですが、曲をフルでかける事をANNでやりはじめたのは源さんが初めてだそうです。
そんな源さんのラジオには、今までのラジオらしからぬ面白さがあります。AD、ミキサー、ディレクター、作家など裏方さんがラジオに参加する、「みんなで作るラジオ」という面白さです。全てのラジオ番組の中で、もっともスタッフさんの名前が電波に乗っているラジオだと思いますし、スタッフさんフィーチャーのコーナーがあるくらいです(野上クイズ、寺坂直毅のデパートに愛を誓って など)。
また、スタッフ全員で芝居をするコーナー「星野ブロードウェイ」は、スタッフさんの大根役者感や、そうかと思えばたまに上手かったりとか。ゲスト回ではゲストも交えたり、わちゃわちゃの劇で毎回笑わせてくれます。この脚本のストーリー原案はリスナーからのお題で、その題に沿った脚本を作家さんが作り、その脚本に沿って、源さんとスタッフさんが演じる、と言う流れです。
さらに、リスナー参加型のコーナーも面白いです。「ジングルのコーナー」は、ラジオのジングル(CMに入るときの短い音声)をリスナーが録音して送ってくるコーナーで、採用されると実際にラジオで使ってもらえるというユニークなものです。ある人のジングルに影響されて他の人が新しいものを送ってきたり、ジングルをいくつかつないで一つのストーリーっぽくしたりとかなり自由です。常連もいます。曲的に面白かったりテーマに合っていたり、しょうもなく笑えるものだったりと厳選されたものが選ばれるので、このコーナーがある回は爆笑必至です。
CreepyNutsのオールナイトニッポン0
今や知らない人の方が少なく、HIPHOPを一般の人に広めている広告塔でもあるCreepyNuts。
CreepyNutsとは、世界一DJのDJ松永さん(写真左)と、ラッパー日本一3連覇のR指定(写真右)さんの2人組みユニットです。
僕も彼らからHIPHOPを知るようになりました。
聴きどころですが、この二人、とにかく口達者です。お題はどうでも良い事(好きなピザ)なのにめちゃくちゃハイレベルです。両者とも論点をコロコロ変えて口撃するのが上手いので、けなし合いも口論も面白いです。かと思えば、妄想を膨らませて、藤井聡太さんと試合する事を目指した主人公が将棋で食えるようになってゆく漫画を作り上げたりと、男子高校生の下校中の会話みたいなトークに思わず声を出して笑ってしまいます。個人的に好きなのは闇マック(朝マックメニューがいつでも食べられるマックの事)のトークです。最近のパンケーキの昼マック化にはCreepyが関係しているのでは?とさえ僕は思っています。
次のポイントは作家さんです。この番組、作家についているのは菅田さんのANNと同じく、あの福田さんです。カンペ出し、メール選びがめちゃくちゃ面白いです。さらに、そのメール選びを面白くしくれるのが、松永さんのメールの読み方です。メール本文のリスナーになりきって(語尾が〜でヤンスの場合、雑魚感のある声になる)声を変えて読むので、メールの内容をさらに面白くしてくれます。
そして最後の、これまた外せないポイントが、真面目トークです。二人ともHIPHOPに通暁しているので、ラップのリリック(歌詞)の意味や背景、それが何にかかっているのかなどを語ってくれます。スペシャルウィークなどゲスト回においては、普段なかなか聴けないラップ論で盛り上がったりと、こちらも興味深いです。特にRHYMESTERのMummy-Dさん回は神回でした。
ここ最近で言うと、ファンキーモンキーベイビーズのファンキー加藤さんがゲストできてくれた回では、大ヒットする中で、レコード会社や事務所から、韻を踏む事よりも熱く泥くさい歌詞を書く事を求められた中でも、ステルス韻を踏んだ事を話してくれたり、とても面白かったです。
このステルス韻、レコード会社の人も事務所の人も、なんならファンモンの他のメンバーすら気がつかないものだったにも関わらず、R指定さんがこのラジオで初めて解説し、電波に流れるという件がありました。入り組んだ韻だったため、誰も気がつかなかったようでしたが、R指定さんは見逃さなかったのです。どうやらファンモンの歌詞にはあちこちにステルス韻が隠されているようですので、ベイビーズ(ファンモンのファン)さん方は、ステルス韻の歌詞を探してみるのも面白いかもしれません。
深夜ラジオらしいしょうもなさ(Funny)でメーターを振り切りながら、アーティストとしての面でも興味深い(interesting)話が聴ける、これまた他にはない番組だな、と感じます。
水曜日:トーク力の参考書
水曜日は、以下の2番組です。
- 乃木坂46のオールナイトニッポン
- 佐久間宣行のオールナイトニッポン0
乃木坂46のオールナイトニッポン
もともとオールナイトニッポン0でやっておりました乃木坂が、1部に昇格しました。僕はこれを0の頃から聴いていましたが、0の頃はパーソナリティーの新内さんが主に一人で話す番組でした。これが1部に昇格することで、レギュラーパーソナリティーの新内さんに加えて、毎週、週替りで乃木坂のメンバーがゲスト出演するようになりました。
もともと一人でトークを回すことができる新内さんのトークを学ぶつもりで聴いていたのですが、様々なメンバーが代わる代わる来るようになり、別の面で学ぶようになりました。それが、質問力です。新内さんは乃木坂の最年長であり、2期生に当たります。そして1期生、2期生は卒業して人数が減り、3期、4期の後輩が多くなってきています。見知った1期、2期メンバーが来ると、新内さんが引き出される側になる事も多いのですが、後輩の方が多い現状、新内さんが、メンバーから話を引き出さなければなりません。そこで、質問力です。
たまに変わり者のおかしなメンバーが来ることもあるのですが、新内さんはそんな子達からも上手く個性を引き出す質問ができ、楽しい番組になっている事にいつも感動しています。その上手な質問の仕方を学ぶというのが、この番組の1つ目の見どころです。次の弓木さんゲスト回が楽しみで仕方ありません。
次の見どころは、週替りのゲストが全国各地から集まったメンバーであるため、出身地域の特色を知れて面白く飽きないというところです。「日本全国自虐のケンミンSHOW!」というコーナーがあるのですが、ほぼ毎週、ゲストのメンバーの地域の自虐ネタ(要は、地域あるある)を紹介してくれます。僕はこの番組のおかげで、「トキントキン(尖っていること)」が愛知の方言である事を知りました。また、関西ではおにぎりに使う海苔が味つけのりであるという話は、関西の人との会話に役立ち、助かった経験もあります。
最後に3つ目のポイントですが、ゲストが面白い子だとわかったとき、まだ聴いてもいないのに神回であると確信できるほど、乃木坂はバラエティに富んだグループであるということです。生田絵梨花さん回(年1、2回)、山下美月さん回(年1、2回)、北野日奈子さん回(年1回くらい)、賀喜遥香さん回(年3回くらい)は絶対面白いので、聴き始めるならこの回をオススメしたいです。
佐久間宣行のオールナイトニッポン0
今、僕が一番好きな番組です。佐久間さんは、もともとテレビ東京でプロデューサーをやっており、ゴッドタン、あちこちオードリーなどを担当されています。2021年4月からフリーランスで活動を開始し、YouTubeチャンネルも開設し、本も出しているという敏腕な方です。
サラリーマンがラジオをしている・・つまり、とても面白い方がしているはず・・そんな好奇心から聴き始めた自分の選択を、今でも最高の決断だったと讃えます。この方、トークおばけです。おそらくトーク番組にひな壇で登場してもしっかりオチのあるトークを持ってこられる方だと思います。また、いまだにセットの真前に膝をついて座ってカンペを出すところから、番組全体を回すMCとしても芸人さんと戦えるのではないかと勝手に思っています。
佐久間さんがテレビ局の人ということで、テレビ局員さんがゲストに来ることがあるのですが、その方々からも言われるのが、「佐久間くんは時事ネタを拾ってちゃんとフリートークでおとせるからすごいよね」「そういう局員は他にはいない」ということです。ちなみにこれは、「アメトーーク!」のプロデューサーである加地倫三さんがゲストにみえたときに話していたことです。
佐久間さんは、自他共に認めるエンタメ人間でもあり、Netflixなど配信サービスにはほぼ登録しており、おそらくこの世界で上位一桁%に入るくらいの配信視聴数ではないかと思われます。そんな方の番組なので、オススメを聴くには事欠かないですし、この方のすごいところは、その幅広さが映画やドラマに留まらず、お笑い、漫画、小説など多岐に渡るところです。いつ寝ているんだか。いや、寝ないんだそう。ほとんど寝ないことで有名な秋元康さんが、ご自身が勧めたたドラマを佐久間さんが寝ずに見た事を知り、「頭おかしいんだよね佐久間って。寝ないんだよな。」「明け方のラインで返信返ってくるの佐久間くらいしかいない」と仰っていました。
僕はテレビをあまり見てこなかったせいか、社会人になっても芸人さんの名前がわからない人間だったのですが、この番組を聴くようになってから一気に守備範囲が広がりました。本当に感謝しています。
この番組の面白いポイントは、上述したレギュラー回もさながら、ゲスト回です。様々な芸人さんや、放送作家さん、プロデューサーさんが登場します。ゲストから聞き出す事も上手いので、様々な裏話や、それぞれの目標や仕事論を聴けます。最近でいうと、アンガールズの田中さん回はとても面白かったです。田中さんがどのように芸人としてサバイブしていったのか、その仕事論を聴ける珍しい放送でした。
そして、僕が一番好きなのは、放送作家のオークラさんがゲスト出演される回です。このブログの読者でオークラさんを知っている人は、佐久間さんを知っている人以上に少ないと思いますが、オークラさんは、バナナマンさんや東京03さんの活躍の立役者の一人で、コント作家もしています。最近ではドラマのドラゴン桜の脚本も手掛けており、今後も様々な活躍が期待される方です。
オークラさんは、これまで3回ゲストにみえているのですが、もともと歴史好きなのもあって、毎回お笑いの歴史についてテーマを作り、語ってくれます。「バナナマンは最初からバナナマン」「ザキヤマの覚醒」「バカリズムの戦い方」「東京03お笑い奮闘記」「神になった第6世代」「お笑い青春期ゴッドタン」「お笑い愛の風潮を作った男」など、興味を唆るテーマを用意し、それについて語ってくれます。東京03とCreepyNutsの合同ライブを武道館で開きたいらしいですが、これが実現した際には、絶対に席を取りにいかせてもらいます。
最後に、この番組の作家さんは福田さんです。菅田さん、CreepyNutsさんときて・・面白くないわけがないです。佐久間さんのトークが面白い上で、さらに福田さんの秀逸な番組運びのダメ押し・・・おかげで、毎回笑わせてもらっています。
木曜日:フリーダムトーク
木曜日のラジオは、以下の通りです。
- ハライチのターン
ハライチのターン(TBSラジオ)
漫才コンビ「ハライチ」のラジオです。ハライチというと、一般的には澤部さんが有名でしょうが、このラジオを聴けば、ハライチの核が岩井さんだとわかります。ハライチのターンには、常設コーナーがなく(厳密にはあるけど)、コーナーは、そのときのフリートークとリスナーのメールの反応によって随時立ち上がるのですが、大半のコーナーは岩井さんのフリートークから立ち上がります。
このフリートークを漫才に例えると、フリートークはボケに、聞き手やリスナーのメールはツッコミに当たる事がわかります。ハライチの漫才は、「ノリボケ」と言われ、流れの主導権をボケの岩井さんが作りだし、澤部さんが、岩井さんの小ボケにツッコミをミートさせてゆくというものです。小ボケ→ツッコミの数秒の流れを制限時間内、畳みかけるように繰り返してゆきます。この漫才の作りが、ラジオにもテレビにもそのまま現れており、岩井さんは、問いかけ、番組でトークを作り上げてゆく側であり、澤部さんは、基本的には誰かの問いかけやボケに対する受けに回ります。澤部さんは、どんなボケにも平均点以上で合わせてゆく力を持っており、そのため、テレビにひっきりなしに呼ばれるのです。よって、澤部さんの方が岩井さんに対してテレビ露出が多く、「ハライチといえば澤部さん」というイメージがついているのです。
一方、ラジオを成立させているのは、日常に問いかけられ、コーナーのタネを生み出す岩井さんです。こういうコンテンツに対して言えば、岩井さんの独壇場のようです。この岩井さんのトークのクセのある感じが、ハライチのターンの一つ目のポイントです。
二つ目は、そのコーナーのユニークさです。前述の通り、この番組のコーナーは、フリートークから生まれるのですが、このコーナーがいい味を出しています。例えば、東急ハンズに行ったら親切にしてもえらた、というエピソードから、どこかにいそうな親切すぎる人についてメールを送るというコーナー(東急ハンズの店員さんは優しい:架空親切な人あるある)ができたり、岩井さんが「おかえり寅さん」という映画を見た事から、「おかえりクソ寅さん」という、めちゃくちゃなアドバイスをリスナーのお悩みに対して行うコーナーだったり、です。「走ると足がグルグルになる」など、漫画あるあるを募集する「二次の元太郎」など、日常のあらゆるシーンから「あるある」を引っ張り上げてくるこのチョイスが、つい「あー!わかる!」というツボをついたお題で、個人的に好きなところです。このツボを突く上手さこそ、岩井さんのセンスにあるように感じます。
金曜日:初めてのお笑い芸人ラジオ
金曜日のラジオは以下のものです。
- 金曜JUNKバナナマンのバナナムーンGOLD
金曜JUNKバナナマンのバナナムーンGOLD
僕が初めて聴くようになった芸人さんのラジオです。4年前くらいでしょうか。日村さんのコメディなキャラクターもあり、下品で聴き苦しい事もあるのですが、初めて聴いたときから欠かさずに聴いている理由には、お二人のトークに絶妙なバランス感覚を感じているからだと思うのです。他の番組は、聴いている時期があっても途中で聴くのを辞めてしまっています。その中で生き残っている、そんな番組です。
この番組の聴きどころは、日村さんの変わった行動と、それを見逃さずにトークを広げる設楽さんの展開にあります。これを聴いていると、日村さんは芸人になるべくして生まれた人としか思えなくなってきます。六本木でイノシシを見て、しかもそれを2年間誰にも言っていなかったり(真偽も定かではない笑)、ボストンにまでレッドソックスの試合を観に行って、奥さんと喧嘩して3回裏でホテルに帰ってしまったり。食事制限中なのに隠れ食いしたり。それがリスナーに見つかってメールでバラされたり。それを奥さんに聴かれてさらに怒られたり。
別番組では、毎週パーソナリティーの方がフリートークを考えて、あるいは、フリートークのネタ探しのためにオフの日に出かけてみたりするケースが多いのですが、日村さんは元々が変な人なようで、日常を語ればそれがフリートークになる人なのです。それを広げて面白くする設楽さんのトークも、さすが次世代のレジェンドと言わざるを得ません。また、設楽さんがふと呟くものの例えは、お洒落で的を射ているものが多く、大いに勉強になります。
次の聴きどころは、星野源さんの番組と同じく、AD、ミキサー、プロデューサーなどスタッフさんが番組にしばしば登場し、日村さんとわちゃわちゃするところです。あくまでバナナマンのラジオなのですが、不思議とスタッフさんにも愛着が湧いてしまっており、彼らが出てくる事を楽しみにしている自分に気がつきます。日村さんが替え歌を作るコーナー「音楽の悩みなんでも解決ヒムペキ兄さん」では、その替え歌に頻繁にスタッフさんが登場し、日村さんと一緒に替え歌を歌っています。このコーナーは、年末にグランド大賞を決める日がありまして、このグランド大賞と、年内最後の放送日に行われる内々紅白歌合戦(日村組と設楽組に別れてそれぞれが3組ゲストを呼び、歌唱で勝負する企画)を年末に聴くのが毎年の楽しみになっており、僕は毎年この二つの企画で年末を感じています。
最後に、この番組の作家は、佐久間さんの番組で定期的にゲスト出演をされるオークラさんが務めてみえます。オークラさんは、バナナマンさんとは20年来以上の戦友で、息のあった番組内トークを繰り広げます。メール選びなど番組はこびが上手で、いいところで日村さん、設楽さんに突っ込んだり、話題を提供したりしてくれます。
土曜日:ドキュメンタリーラジオ
土曜日のラジオは以下のものです。
- オードリーのオールナイトニッポン
オードリーのオールナイトニッポン
漫才コンビオードリーの二人が送る土曜日のドキュメンタリーラジオです。ドキュメンタリーというのは、そのとき感が放送から感じられるラジオ、という事です。主に若林さんの、漫才をやる上での葛藤や自問自答がこのドキュメント感を醸しているのですが、この若林さんの悩み方や、その乗り越え方は、なぜか勉強になるのです。
オードリーは第6世代と呼ばれる芸人さんの世代に分類されます。第5世代(バナナマン、バカリズム、サンドウィッチマンなど)がお笑い番組で跳ねた後、トークバラエティがほとんどになった中、テレビでお笑いをやらせてもらえなかった世代です。また、近年お笑い番組が増えてきた中では、第6世代の次の世代、第7世代(霜降り明星など)がお笑い番組を引っ張っており、その流れにも乗れなかった、狭間の世代とされています。その中での苦労の吐露や、その克服の歴史が、このラジオには埋め込まれているのです。
本来、その狭間の辛い時期を経験している世代は、両隣の世代に嫉妬をして腐ってしまうものですが、オードリーは、そのどちらをも許容し、うまく溶け合ってテレビ番組を作り上げてゆきます。その最たる例が、「あちこちオードリー」です。この番組も、苦労してきたオードリーだからこそゲストから色々聞き出せる。先輩後輩限らず、ゲストの芸人さんが球をぶつけたいと思ってしまう、そんな番組になるのだと思います。オークラさんが、「神になった第6世代」と称すのは、こういう事だと思います。
ラジオでは、そのあちこちオードリーの裏話を聴け、それを加味してあちこちオードリーを観るのが僕の志向の楽しみ方です。
若林さんはフリートークでも、いい感じの人間味を出します。南原さん(ウッチャンナンチャン)から漫画を貰った際のお礼のラインを奥さんに咎められた事を話したり、誰かと話しているときの自分の感情を俯瞰で捉え、「こうやって思っちゃうのも俺の悪いところなんだけど・・」など、感情の実況中継をしてくれる件に、とても共感を覚えます。「あ〜わかる。その辺に自分を引き止める自分がいるよね」となります。
春日さんも春日さんで、若林さんに先んじてテレビタレントとして売れた際には、クラブのVIP席で飲み明かし社長に服をもらい、翌日の仕事に酔っ払って現れる、浮気がバレて、のちにその人と結婚をし、今に至る、などそのときそのときでいろいろな事が起こっており、今でも、「あの頃の春日」として話題になるドキュメント感のある人です。ちなみに、最近春日の奥さんであるクミさんはラジオのゲストに登場され、星野源さんのFamily Songを歌いました笑。
これからも、いろいろなドキュメンタリーが生まれそうな番組です。おそらくバナナムーンと同じく、何年も聴いてゆく番組です。
終わりに
以上、10本ほどの番組を勝手に紹介しました。今後、常連になるかもしれない番組もあるのでそれはまた別の記事で追加して書いてゆこうと思います。それこそ、霜降りのANNやマヂラブのANN0、ぺこぱのANNX、空気階段の踊り場など、まだ最近聴き始めたばかりのものもあります。これらが今後自分の中でどうなってゆくのか。それも、聴いている中での楽しみです。
そんな一人語りでしたが、これを機会に、どこかの誰かがラジオを聴くようになり、その周りのラジオリスナーとラジオ談義に花を咲かせ、ラジオの輪が広がってくれたらありがたいです。
ラジオファンが一人でも増えてくれますように。