僕たちは連番したい ー水樹奈々を語り継ぐー
僕たちには夢があります。
まず一つは、水樹奈々さん(以下、親しみと敬意を込めて奈々さんと略す)を知らない人に、彼女のことを知ってもらうこと。もう一つは、彼女のライブに一緒に行ってくれる同志と出会うことです。
僕たち、というのは、僕と、僕に10年以上前に奈々さんの存在を教えてくれた一人の友人のことです。
2023年9月2日の土曜日に東京・有明であった、奈々さんのライブツアー、LIVE PARADEに僕らは参加しました。最後に参加したのは、2014年の夏のツアー、LIVE FLIGHTです。
久々に参戦したライブではありましたが、8年間以上のブランクが空いていたことが信じられないくらい盛り上がれました。お互いの好きな曲も聞けたし、定番曲でも盛り上がれました。
しかし、友人はライブが終わったあと、会場の有明アリーナから近くの商業施設にある温泉に向かうさなか、あることだけが悔いだと言います。
「隣の知らない人と、ライブお疲れ様でした!最高でしたね!と労い合う交流ができなかった」と。
そういえば、握手とかしたな〜なんて当時の記憶を思い出しつつ、今回は仕方ないとも感じました。僕らの両隣が、僕らと同じ歳か、それよりも若い女性でした。同じ人を好きで集った会場にしても、見知らぬ異性に話しかけられればさすがに引かれるだろう・・と、声をかけずにいたのです。
それについて話した結果、「今度は連番(何人かのグループでまとめて連続した番号の席を取ること)しよう」となりました。
2011年、奈々さん初の東京ドームライブにて、僕らは7連番をしたことがありました。それ以来ということで、かなりの時間が経過しています。そのうちの何人かは来てくれても、おそらく7人全員が揃うことはありません。
ゆえに、僕はこのブログを使って、新たな同志を募ろうと決めたのです。
ただ、このブログに定期的に訪れてくれる読者さんの中に奈々さんのファンがいる可能性は低いように思います。仮にいてくださったなら、僕のX(旧Twitter)のアカウントにご連絡いただくでもいいですし、この記事のコメントに書き残していただくでも大丈夫ですので、お声がけいただけると嬉しいです。
もちろん、これまで奈々さんのことを知らなかった方でも、ご興味あればお声がけしてくれると嬉しいです。
そして、今ここまで記事をご覧になり、水樹奈々とは何者か。どんなアーティストなのか、気になっている皆さん。
今からしばらく、僕は自らの言葉を絞り尽くして、奈々さんがどんな方なのか書いてゆきます。
「水樹奈々」は、ジャンルである
はじめに断っておくと、僕はこの記事では、普段は持ち合わせているはずのちっぽけな客観性を、思い切り放り投げた文章を書きます。
あるアーティストが一つのジャンルであるなんて、そのアーティストが好きな人なら大概そう思っているはずなので、このサブタイトルは著しく主観に満ちたものなのですが、前述のとおり冷静さを意図的に放り投げております。ファンの語りにお許しを。
さて話を戻すと、奈々さんの曲には、楽器が入り乱れています。バイオリンなど弦楽器のオーケストラサウンドがイントロで流れていると思ったら、いつの間にかエレキギターのサウンドがメロディとして響いている。1曲の中に様々な楽器が現れます。
奈々さんが得意とするのは、オーケストラではじまり、エレキでボルテージを上げるという、ファンタジー ✕ バトルの世界観です。アニメ主題歌をよく手掛けるだけあって、世界観自体もそれに近いのかもしれません。
かと思いきや、アコギではじまるおしゃれな曲(Orchestral Fantasia)もあったり、エレクトーンが主役の曲(エゴアイディール:僕のイチオシの曲。)もあったり、打ち込みでつくられた電子音の曲(シンフォギアの主題歌などはこれ)もあります。激しい曲もあれば、しっとりとしたバラードもあり・・
こう書いていても、表現の幅が広いように思えます。一方で、一貫した芯があるように思えます。その芯が、「ファンタジー」の表現であると僕は感じます。
音楽ジャンルの中に、そんなジャンルはこれまで存在しませんでした。楽器や演奏方法で分類されたジャンル、あるいは「アニメソング」とかそういう既存の言葉では分類できない。
その世界観こそが、「水樹奈々」というジャンルなのです。
不完全な領域。奈々さんだけでは画竜点「声」を欠く
ライブ会場とは、アーティストにとっての一種の聖域であり、領域です。
奈々さんの領域は、奈々さんの歌だけでは完結しないよう意図的に作られた領域です。
セットや映像が、前述のコンセプトである「ファンタジー」を作り上げます。領域の外殻と、モチーフが具象化します。
次に、彼女とともにあるバンドメンバー「チェリーボーイズ」が現れます。TM NETWOOK、ユーミン、スガシカオ、スキマスイッチ、いきものがかり、ポルノグラフィティ(その他多数、敬称略)、などのレコーディング、楽器演奏を担当していたこともある熟練の様々なバンドメンバーが集って、ライブサウンドを作り上げます。このサウンドがかっこよすぎる・・・。ライブならではの間奏のアレンジなどはたまりません。
奈々さんの歌を聞きにきてはいますが、僕らファンは、チェリボ(略称)の演奏も聞きにきているのです。ライブ映像をご覧になれば、奈々さんだけでなく、バンドの皆さんにもスポットライトが当たっていることがわかるかと思います。
さらに、ダンサーの「チームヨーダ」が、ダンス曲のファンタジックな世界観を押し上げてくれます。定番曲にはダンス曲も何曲か含まれますが、ここでチームヨーダのダンスがスパイスになります。
そしてもう一つ、それが僕らファンのコールとサイリウムです。先日行われたツアーのLIVE PARADEは、声出し解禁後の初めてのライブツアーだったようですが、奈々さんも、自分のライブは曲に合わせたファンのコールがあってこそだと話していました。
これには、おそらくほとんどのファンが同意するかと思います。あのライブ空間においては、コールが領域の完成度、そして空間の一体感を上げています。叫ばなければ、非日常な「ファンタジー」の領域は、完成しないのです。
・・・真に受けすぎですって?そうかもしれないのですが、LIVE映像を見てみてほしいです。あれが、奈々さんのライブなんです。
ちなみに、LIVE映像をどれか一つでも1曲まるごと見ることができたなら、きっとライブを楽しめます。もしこの雰囲気が合わなければ、動画をすぐに停めてしまうでしょう。それを一線を超えている時点で、あなたはすでに領域に足を踏み入れています。
声量ではなく、声圧。声に命が乗っている
奈々さんの曲を聴くと、ほとんどの方が、声に特徴があると感じるはずです。「声が低い」と端的に表現することはできない、なんともいえない響きがあります。
もともとの声質なのか、演歌歌手になるべく幼少期から鍛えられたものなのかは定かではありませんが、とりあえず現存する言葉でそれを表現するなら、「声に圧がある」とか、「声が生きている」などと表現したくなります。
ワンピース(ワノ国編に出てきた日和は、奈々さんが声を当てています)をご存知の方なら、覇王色の覇気を纏った声で歌っていると言えば、伝わるかもしれません。
奈々さんの声には、生命力が宿っています。彼女が放った歌声は、生き物として僕らにぶつかってきます。そしてその声を聞く者にエネルギーを与え、奮い立たせたり、高揚させてくれます。そんなことを感じさせる、「音圧」が奈々さんの声にはあるのです。
これは、ライブだと特に感じます。名だたる方々とともにして来たチェリーボーイズのサウンドには、同じく生命力を感じるのですが、奈々さんの歌声は、それと同様のものであり、互いに強め合い、それが僕らのもとに命を持ってやってきます。
※まだまだこんなものじゃありません。随時書き足してゆきます。