「マーケティングとは何か?」について、自分なりに答えを出してみた

マーケティングを一言で捉えると、なんと答えるのだろう。そんなことを考えるきっかけがありました。

 

オーストラリアでの電車での移動時間の際(キュランダ旅行の記事参照!)、弟とどんな流れだったのか、そんな話をしました。

 

マーケティングとは「安く仕入れて高く売ること」

確か、「マーケティングを多くの企業ができていないから無駄に忙しいのでは?」みたいな話だったと思います。利益を継続して生み出せない戦略をどこも採用して、『何でも屋』になっちゃってるから、便利になっても忙しさからは解放されない・・という話だったはず。

 

そんな中で、弟が、「マーケティングって、結局安く仕入れて高く売ることでしょう?」と発言したのです。これには「なるほど」と納得しました。

 

弟はこのように簡潔に物事を述べるのが上手です。言い得て妙、だと思いました。ただ一方で、それは不完全だな(数学的に言うと、必要だが十分ではない)、とも思いました。

 

今回は、兄弟のマーケティング談義に関して、書き残しておこうと思います。

 

マーケティングは確かに、「安く仕入れて高く売ることである」

この言葉を反芻する際、マーケティングを実行に移す際によく使われるフレームワークを考えました。STP、4Pです。この意味については以前の記事に書いてあるので、よかったら参考にしてください。

 

まず、「安く仕入れる」に関して

新しく参入しようとする事業の原材料に関して、既存の自社事業とも共同で仕入れて、大量購入により安く仕入れられる戦略をとることで、少しでも安く仕入れられるはずです(あくまでコストリーダーシップではなく、差別化戦略を取る企業の思惑です)。

 

「原材料を大量に仕入れることは可能か?」の指標は、市場を細分化する一つの基準にもできます。つまり、既存の商品の市場(例えばシャープペンシル)に、既存の商品と似たような商品(シャープペンシル)を、別のターゲット(シャープペンが解決する問題が異なる)に対して参入する戦略です。

 

それに、安く仕入れられれば、価格に関して、競合より有利に進められるかもしれません。

 

次に「高く売る」に関して

「高く売る」には、他の競合との差別化が重要です。そこで、細分化、およびポジショニングをします。さっきの話と組み合わせると、材料は共同で仕入れる前提です。その前提の上で、他の競合商品と比べて、まだ満たされていないニーズ(市場)はどこかを絞り込みます。それを市場の細分化で見つけ出し、そこにターゲットを絞ります。

 

すると、少し高価でも、ニーズを満たすために、顧客はその製品を買うはずです。

 

また、売る場所に関しても、そのターゲットの顧客たちが普段、どんな場所でその製品に触れるのかを考えて、展開場所も絞り込みます。

 

さらに、その商品がどんな商品なのかを、なるべくコストをかけずにプロモーション(広告など)を行います。

 

これは、会社本位の視点

この「安く仕入れて高く売る」が不完全な定義だと思ったのは、今行ったマーケティングの指標(細分化、ポジショニング)に不完全さを感じたからかもしれません。

 

例えばですが、旅行のプランについて考えるとき、顧客は何を考えているのでしょうか。旅行に行く場所でしょうか。あるいはどのツアーがお得か、でしょうか。仮に「そうでしょう」思ったら、注意が必要だと思います。

 

旅行について探索する顧客は、旅行に行きたいはずだから、「旅行」の市場の中で自分たちの競争は行われている、という会社側の身勝手な顧客の定義だと僕は感じています。

 

「安く仕入れて高く売る」の前提は、この「市場の決めつけ」の点で不完全だと感じました。何が言いたいかというと、と言う話は、次の記事で書こうと思います。

 

また長くなっちゃいました。「要するに」が僕は苦手なようです。弟に見習いたいところですね笑

 

次回の記事はこちら!お暇があればご覧ください。

 

前回の記事の続きです。前回をまだ読まれていない方はこちらからお読みください!

 

旅行と競合するのは、「他の無形サービス」である。

みなさんが家族と旅行に行くときに求めるのは、何でしょうか。それは、旅行以外では代替不可能でしょうか。そんなことはないはずです。

 

様々な体験イベントがある昨今、旅行に行かなくても近場で家族で楽しめる場所はたくさんあります。旅行は、旅行とだけ競合しているのではないのです。

 

ひとり旅だとすると、僕の頭の中では、少なくとも旅行同士が競合しているわけではありません。僕は、旅行と、買い物と、次に人と会うときの外食代と、本が競合します。

 

考えてみてほしいのですが、そもそも、人は基本的に複数の趣味を持っています。弟の頭の中で言うなら(弟は多趣味)、洋服、バイク、カメラ、音楽、...と様々な趣味で構成されています。

 

つまり、弟の頭の中では、洋服はバイクと、カメラと、音楽と競合するのです。他も同じく。そうではありませんか?ここで振り返ってみて欲しいのですが、何かを買うときに、全然関係がないもの同士で迷ったことはありませんか?

 

僕は、これが現代における「顧客視点」だと思います。市場を「洋服」だけに絞って洋服のデザインとそれの調達手段と販売手段だけを考えていてもダメで、「安く仕入れて高く売る」では、もうマーケティングは成り立たないと、僕は思います。

 

マーケティングはどのように成り立たなくなっていったか

簡単です。以前は、ものが少なく、今はものに溢れているのです。趣味・嗜好を複数持った時点で、市場細分化は弱っていたのです。

 

人の頭の中で、物やサービスを買うときの競争状態を考えると、三種の神器(テレビ、冷蔵庫、洗濯機)の時代は、何に変えてもこれらは欲しかったはずです。生活の質を大きく変える、インパクトの大きい商品達だったからです。

 

手洗いの洗濯から解放されるのです。今、手洗いで洗濯することを逆に考えてみたらわかりやすいですが、手洗いするなら、僕らも洗濯機を買おうと思うはずです。

 

と言うように、商品が生活に与えるインパクトが大きかったため、顧客は他と迷わずに買うものに優先順位をつけられたのです。

 

ひと通り全員の元にこれらが行き渡ると、今度は、その人の生活スタイルによって、洗濯機の機能を変えてきました。それが、マーケティング2.0とも呼ばれる、市場細分化です。ニーズが多様化したために、顧客層で分け始めたと言うことです。

 

しかし、物が自分たちの周りにあることが当たり前になってゆくにつれて、どんどん、僕らの嗜好も増えていきました。僕は、この時点で既にマーケティングのフレームワークは成立しにくくなっていたと考えています。

 

趣味・嗜好が増えると、全ての趣味・嗜好同士が頭の中で競争するのです。

 

考えるべきは、カメラ同士の競合だけではないのです。「他の趣味よりも、カメラは、顧客に喜びを与えてくれるのか」が重要なのだと思うのです。

 

トヨタが車種を減らすのは、これに気が付いたからかもしれない

最近、トヨタが大幅に車種を減らす、とのニュースがありました(「トヨタ、国内販売車種半減へ2020年代半ばメド」参照。)。

 

これは、車種が多くても、顧客は「車同士を比較して買う」だけではないと感じ始めたからではないかと思います。

 

車同士の比較なら、モデルを多く持っておき、デザインで選んでもらいやすくなるかもしれませんが、車の所有の価値が薄くなっていく時代においては、より、車を買うことに今まで以上に大きな「意味」が求められるようになってゆくのだと思います。

 

「意味」が必要となると、ラインナップは「意味」別の分類が最重要となり、それ以外の細かな分類は、圧倒的に価値が薄くなる。すると、似たようなモデルは、次第に必要なくなってゆく。現在進行形なのか、これから起こることなのかはわかりませんが、トヨタは、それに適応しようとしているのかもしれません。

 

トヨタは、リコールはあれど、世界でも「安心安全」という企業ブランドを確立しています。そのトヨタが、市場を車だけでなく、他の趣味・嗜好とも競合させる、「顧客嗜好のマーケティング」を始めたという事かもしれません。

 

そんなトヨタには今後も注目です。

 

マーケティングとは「意味のある仕事をする事」

今回の記事の結論を述べさせてください。マーケティングとは何か?に対する個人的な回答は、「意味のある仕事をする事」です。

 

さっき述べたように、顧客の趣味・嗜好が多様化し、多くの人と頭の中に複数の趣味が存在している中では「安く仕入れ高く売る」という会社目線では不十分(必要ではあるが)です。

 

結局、利益をあげるならば、顧客に対してインパクトが与えられるかどうかが重要です。そのもの・サービスを買ったことによって、「自分が他よりもこれにお金を・時間を使ってよかった」と思ってもらうことが、重要なのです。逆にそれ以外は、圧倒的に無意味なのです。

 

だから、もう今までの市場の概念をマーケティングの定義には使えない。必要なのは、「顧客にとって意味がある(インパクトが大きい)モノ・サービス」を提供できるかであり、それは、仕事に意味があるかどうか、と言い換えられると思いました。

 

「安く仕入れて高く売る」より「なるほど」とは思われにくいかとは思いますが、この常識外れかもしれないマーケティングの定義をあたまの片隅に置いて仕事をしようと思います。

 

 

 

 

やてん

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメントする