机上での総力戦 中小企業診断士2次試験の対策

今回は、中小企業診断士2次試験の学習について、自分が大切と感じたことを書き記しておきます。一言で言うと、「机上の総力戦を制する者が勝つ」ということです。

 

「机上の総力戦」には、三つの要素が含まれます。その要素とは「語学力の戦い」、「経験ではなく、知識で武装する戦い」、「情報との戦い」の三つです。順に、詳細を整理します。

 

語学力の戦い

まずはじめに断ると、「語学力」と言うのは、英語力とか、多言語話せることではなく、「言葉を正しく認知し、また使い尽くす力」のことです。中小企業診断士試験に限らずですが、選択問題の選択肢に「これこれな場合、〇〇は、必ずすべきである」みたいな表記があると、「これは極端だから違うな」みたいな消去法が使えますよね?これは、知識力と言うより、言葉使いに注目したテクニックです。

 

診断士試験において、選択式の1次試験では、そのテクニックの駆使が合格の必要条件です。「間違いなく正解な選択肢」ではなく「一番間違っていなさそうな選択肢」を探し出す試験だからです。

 

そして、2次試験では、さらにその能力を高める必要があります。例えば、以下の文を読んで、設問に答えてみてください。

予件文

(中略)

A社は、市場が縮小しつつあるので、多角化を模索し始めた。B事業とC事業とD事業に進出した。とはいえ、主力であるA事業の売上構成比は7割を超えたままであった。

(以下略)

 

設問

A社が進めてきた事業展開がうまくいかなかったのはなぜか。理由を述べよ。

これに対する答えは、「多角化がうまくいかなかったから」とか「主力のA事業で培ったA社の長所を活かせない事業を展開したから」とかになります。

 

この設問の論法は、「Xをした→うまくいかなかった→理由は?→Xがダメだったから」と言う論理展開です。2次試験では、上述のように「〇〇をした」とか「〇〇はまだ行っていない」の言葉と「うまくいった」「うまくいかなかった」を組み合わせて、理由を答えたり、何をすべきかの助言内容を答えるものです。これが、基礎の基礎です。

 

ちなみに、例はわかりやすいものを選んでいますが、高得点を出すには、一見無関係そうな単語を言い換えて、回答につなげてゆく必要があります。「事業を始めて数年は生産数量が不十分」「大型の注文をもらえそうである」と言う二つから、設問の「注文を受けるメリット」として、「累積生産量の増加による経験曲線効果、それに付随した規模の経済の享受」を答える、です。また、オイルショックやリーマンショックなどでの売り上げの波が読み取れたら、「外部環境の変化への迅速な対応」を解答に盛り込む、などです。

 

主語や述語の良い回しへの感度も必要です。設問で「A社が主力商品の人気を復活させた最大の要因は何か」というようなものがありました。それに関係する文章について「商品が倒産以前から元々人気で、贔屓している顧客からの存続の嘆願があった」とか「A社への支援の申し出があった」とか、「主力製品への再現に集中した」とか、いろいろ要因が見られます。

 

実際にこれを聞かれたら、「歴史があった、ニーズがあったから」とか「支援があったから」と答えたくなるのですが、聞かれているのは、あくまで「A社が復活させた」「要因」なのです。すると、「主力製品への再現に集中したこと」となるのです。「理由弱っ・・」って思いませんか?

 

人気が復活するにはニーズが不可欠、むしろ再現の成功以上に大事と考えられますし、再現するまでに時間がかかった中、経済支援がなければ再現は不可能です。そう思うと、再現にはニーズや経済支援の方が大きな貢献だったと考えられますが、「A社がさせた」という言い回しから、あくまで解答ではA社の行動にフォーカスすべきなのです。

 

 

そんな簡単なこと気づかない訳が無いと思うでしょう。しかし、訓練し慣れないと、そういう答案をしがちなのです。もちろん、理由を聞かれたのに、別のことを答えるとか、支離滅裂で論理的でない解答はもってのほかです。

 

診断士の2次試験は、一つ一つの言葉から、意味合いを正確に読み取って正確に扱う、「語学力の戦い」なのです。

 

経験ではなく知識で武装する戦い

これは、上述の「語学力の戦い」以上に様々な人が発信することなのですが、2次試験における「助言」は、実際に現実世界で「できるわけあるか」と思われるようなことも含まれます。

 

事業拡大のために、海外への出荷を卸に頼り切っていた会社に対して、卸に頼らず海外への直接営業を提案したりしても、それは得点になります。海外へのニーズがある旨は記載されているからです。

 

ここで、様々な会社の海外進出の難しさや、実例を思い出してしまうと、この助言をする上で足踏みをしてしまいますが、あくまで経験や実例ではなく、知識で戦うのです。

 

ほとんどの場合、上述の語学力を使い「〇〇が管理されていない」「〇〇が散在している」「〇〇は他社に頼っている」などの言葉の内、自分が持つ知識で解決すべき事について、「〇〇を管理すべき」、「〇〇を整頓すべき」、「〇〇を自社で開拓すべき」などと言い換えるのが、戦いです。まさに、知識を使いこなす戦いです。

 

情報との戦い

これまでは、試験時間内の内訳を書いてきましたが、最後に、「情報の精査」の重要性を書かなければなりません。中小企業診断士試験には、学習方法などを発信する支援団体が存在し、セミナーや勉強会を開催しています。また、個人でも情報発信をしているブログがあり、オススメの参考書や勉強法、解き方などが書かれていたりします。

 

そうすると、どれが自分に向いているのか?を浮気して検討してしまいがちです。この精査が、実力の向上を妨げる最大の要因です。正直なところ、いろいろ試したわけではない僕自身、何がオススメかはわかりませんし、どの情報が正しいかも未だにわかりません。

 

そもそも、その人の学び方によって何を使うべきかが変わるのであって、優れた物があるのかどうかも謎です。僕は何も考えず、ユーキャンで申込み、勉強しましたが、後々TACの参考書の詳しさに感動しました。しかし、批判的にユーキャンを見て、不足分を自分で調べながら勉強したからこそ身になったのであって、TACの参考書で勉強した方が良かったとは言い切れません。

 

解き方の紹介も、蛍光ペンを4色使って、とか、余白をこのように使って、とか、線の引き方はこう、とか小手先です。勉強オタクが自分のスキルを売って稼ぐというビジネスになっています。一度参加しましたが、以後勉強会にも参加していないので、多分不要だったのだと思います。一回くらいは参加して、合格する人がどれくらい勉強しているのかの「レベル感」を理解するのは大事かもですが。

 

自分の勉強法や解き方の情報収集に時間を使ってしまう余り、実力を高める訓練の時間がなくなっては元も子もありません。自分に向いている勉強法や解き方に気がつくのも、誰かの意見を見聞きしたその瞬間ではなく、最後には机の上だと僕は考えます。つまり、高校受験や大学受験と変わらないのです。難しいこと考えずに、直向きに勉強した方が良いと言うのが、僕の結論でした。「あくまで、戦うべき相手は机上にしかいない」と言う考えです。

 

 

 

さて、この記事を読んでいる方が僕以外にもいるかもしれないので、最後に一つ、設問を作ります。

設問 合格の必要条件を、筆者は何であると考えているでしょうか。

 

 

答えは、語学力と、正確な知識と、それを時間内に使いこなすに至るまでの訓練の量です。

 

皆さんは、必要条件をどう定義しますか?

 

 

 

 

 

 

 

 

やてん

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