簿記は人生を豊かにするのか?

ちょっと前ですが、ラジオを聴いていたときのことです。お勧めの本を聞かれて「簿記(ぼき)の本。人生が豊かになるから」と、芸人のカズレーザーさんが答えたエピソードが紹介されていました。このラジオは、会計士の方が毎回テーマに沿って、AKBの向井地さんに経済に関する内容を説明する番組です。僕が聴いていたこの回では、カズレーザーさんのエピソードが取り上げられ、簿記について説明されていました。時間に限りがあるためか、会計士の方も「簿記とは何か」を話すに終始しており、カズレーザーさんが言う「人生が豊かになる」に関しては、結局二人とも釈然としない感じで幕を閉じました。「これで、美音ちゃん(向井地さん)も人生が豊かになるはず・・?」といった雰囲気でしたね。

カズレーザーさんにとっての簿記

僕はカズレーザーさんと同様、簿記の考え方を生活に取り入れると、人生を少し豊かにできると考えています。ですから、カズレーザーさんの話が出たときは驚き、共感しました。まさかカズレーザーさんと同じ考えを自分が持っているとは、と嬉しさもありました。ただ、彼が僕と同じ理由で「簿記で人生が豊かになる」と考えているのかはラジオを聴いただけではわからなかったので、その辺りをもう少し調べてみました。どうやら彼は、簿記を学ぶことで税金の仕組みを理解でき、それを芸人活動に用いて、最終的に節税ができるから、という理由で「簿記が人生を豊かにする」と話したようです。僕とは異なる理由でした。

 

言われてみれば確かに、芸人さんらしい考え方です。芸人は個人事業主であり、経費を自分で申請しなければなりません。どのレシートが経費で落ちるか、その分類ができなければ、税金を本来払わなければならない金額以上に多く支払うことにもなりかねません。極端な話、ポケットマネーでコントと漫才の衣装・小道具・大道具を揃えるとなったら、手元にいくら残せることか。こう言った理由で、しっかり仕事で使ったお金を経費として扱い、正しい所得を税務署に申請することで、手元にお金をしっかり残そう、というわけです。

 

つまり、カズレーザーさんは、自分と同じ個人事業主である芸人さんに向かって、簿記をお勧めしたということですね。

 

以上のカズレーザーさんの簿記に関する考え方は非常に「実用的な」豊かさの話で、その後に僕の思う「実用的でない」簿記に関する考え方を書くのは恐縮なのですが、よかったら、続きも読んでいってください。

 

簿記の仕組み

ここまで読んでいただきながら、簿記については何の説明もしませんでした。わからない人向けに、簡単にお話しします。簿記とは、決算書を作るためのルールのようなものです。この決算書は、大体4つの表(合わせて、財務諸表と呼びます)のことを言います。そして、特に企業活動に関しては4つのうち、2つがよく取り上げられます。それは、以下の2つです。

  • 貸借対照表(貸借は、「たいしゃく」と読む)
  • 損益計算書

上から簡単に説明します。貸借対照表は、その企業の資金調達の方法と、その使い道について整理し確認する表です。資金調達というのは、銀行に借りたり、株式を発行したり、ですね。そしてこの調達したお金(資本)をもとに、土地、建物、機械設備、原材料や商品を購入します。この内訳を記すのが、貸借対照表です。

次に、損益計算書についてです。これは、小遣い帳をイメージすれば簡単です。手元に入ってきたお小遣い(売上高)から使った分のお金(費用)を引いて、残ったお金(利益)がいくらかを確認する表です。

 

僕にとっての簿記

では、なぜ僕は簿記を学ぶと人生を少し豊かにできると考えるのか。その理由を二つの側面から書いてゆきます。まず一つ目ですが、具体的な話に移る前に、一つ質問です。あなたが、5万円のテレビを購入したとします。そのお金、いつ払っているのでしょうか。・・テレビを買ったとき、と思うでしょうが、これが簿記では異なります。簿記の世界では、5万円のテレビは、すぐに5万円の費用にはなりません。例えば毎年、1万円ずつ、5年かけて費用として計算されます。

 

なぜかと言うと、簿記の世界において、テレビは、情報を与えてくれる、Amazon primeやNetflixを大画面で見て楽しむ、など、使えうるうちは、使う人に「価値」を提供し続けてくれるからです。また、僕らはその価値を、使えなくなるまでに徐々に消費していくからです。食べ物や、電気、ガス、水道のような、そのとき使ったら価値を消費するようなモノでないようなモノ、例えば服も筆記用具も、家具も、全て同じで、これらは買ったときに費用になるのではなく、使っている間、ずっと費用として均等に計上されるのです。それを、使わずにどんどん劣化させている状況を、僕はあまり良く思えませんでした。地球の資源は有限で、限られた土地にしか無いのに、それを大量に手にして、量産して、容易に陳腐化するように作って、あるいは飽きさせるように宣伝して。その資源で、争いだって起こるのに。

 

無闇にお金を使ってすぐ使わなくなるようなものを買うこと、買っても使わないでいること、すぐに捨ててしまうことに、少し抵抗が湧いてこないでしょうか。買うなら、しっかり使うモノを。せっかく買ったモノなら、しっかり使おう。その物に対する自分の責任というか、考え方が変わったのが、この簿記の仕組みを知ったことでした。

 

もう一つの側面も、具体的な話に移る前に、質問をさせてください。例えば美味しい食事を食べたとします。そのときお金を支払いますが、食事の価値は、それだけで終わりでしょうか。おそらく違います。なぜなら、経験が記憶に残るからです。このように、自分の心が動くような経験は、今の自分からお金を借りて(資金を調達)、将来の自分に、長年に渡って価値を与え続ける(経験を生かしてお金に)ことができるとも考えました。例えば話題になったり、このように、考える材料になったり、それこそ、ビジネスにも生きる発想につながったりする可能性もゼロでは無いでしょう。おいしい料理を食べられる事自体、そのときに豊かさをもたらせてくれますが、それだけでは無いかもしれない。その後にも生かせるような経験にお金を使うことは大切なのかもな、とも、簿記を学びながら考えました。こう思い始めてから、毎日の体験に、より面白さを感じられるようになりました。

 

こんな感じで、僕は、簿記を学び、お金の流れを知ることは、人生を少し豊かにすると、思いました。

やてん

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