「ブルー・オーシャン」とは結局何なのか。簡単にまとめてみた

先月のジョブ理論に引き続き、今月は「ブルーオーシャン戦略」を読みました。もしかすると、皆さんの周りでも「ブルーオーシャン」という言葉を話す人がみえるかもしれません。「我が社のターゲット市場はブルーオーシャンだ」とか。

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仮にそういう場面に遭遇したとき、「へー、競合いないんだ」という認識だけで終わらず、もう少し深く話を展開できるよう、今回はまとめてゆこうと思います。

 

ブルーオーシャンな市場を探し出すことではできない

まず整理しておきたいのが、「ブルーオーシャン」とは企業側の「戦略」であって、ブルーオーシャンな(競合がいない)市場が存在している訳ではないことです。つまり、ブルーオーシャンとは出会うものではなく、作り出すものなのです。

 

「ブルーオーシャン」を「競合がいない市場」と認識すると、「ブルーオーシャン=ニッチ(超狭い)市場」と考えてしまう人がいます。これは実際にあったことで、知り合いにもこういう話をする人はいます。でも狭い市場を意味するのならば、「オーシャン(大海)」を意味する単語を当てるはずはないのです。

 

では、何をもって、「オーシャン」を語るのか。また、企業は競合がいない市場(オーシャン)をどう作ってゆくのか。それを本書では、「策定」「実行」の二つに分けて述べています。

 

僕は「実行」に関しては全く話についてゆけませんでした。組織の重役にいて全社レベルのことを考える方からするならば理解できるのかもしれません。ひとまず今回は「実行」に関してはまとめるのは保留にして、「策定」に絞り込んで整理しようと思います。

 

策定①:目的は「戦略キャンバスのメリハリ」を生むこと

「策定」ですが、まず、ブルーオーシャン戦略の特徴には「メリハリのある戦略キャンバス」があることです。また、これを意図的に作ってゆくことこそが、戦略なのです。

 

例として、一つの戦略キャンバスの画像をあげます。IMG_1772.jpg

航空会社の「サウスウエスト航空」の戦略キャンバスです。一般の航空会社に比べて直行便が多いため、目的地に着くまでが速いです。一方、機内食やラウンジなど、「ロイヤリティ」を高めるための要素は極端に削り込ん(自動車の移動と同水準なのだから凄い)だ、一般の航空会社と全く異なるサービス形態を取った航空会社なのです。

 

見てもらえるとわかるように、一般の航空会社はゆるい折れ線ですが、サウスウエスト航空にはメリハリがあります。つまりは、コンセプト(格安の最速航空会社)のために、コストをかける資源を取捨選択し、資源配分を最適化することがブルーオーシャン戦略なのです。

 

このグラフからは、上の「メリハリ」ともう一つ特徴が読み取れます。サウスウエスト航空を「自動車」とも比較しているところです。つまり「航空会社」だけが競合なのではなく、「移動手段全般」を競合として認識しているのです。

 

この考え方であれば、「空路市場」だけでなく、今まで空路を使ってこなかった人にも興味を持ってもらえる航空戦略を取ることができます。ね、ニッチなんかじゃないでしょう?詳細は割愛しますが、顧客の定義に関しても1章分を使って書かれています。

 

ここでもうちょっと調べてみたのですが、この話にはもうちょっと先があります。当初、サウスウエスト航空が設立したとき、競合の大手のコンチネンタル航空(いわゆる一般の航空会社)はサウスウエストをバカにしていました。「絶対に潰れる」と。

 

しかし、「スピーディーな移動手段」として人気を博すと、コンチネンタル航空は「コンチネンタルライト」という格安便も提供するようになりました。ところがどっこい、コストが削減どころか複雑になって管理費も上がり、あえなく失敗。やるなら片手間ではなく全社で行う、ということも、ブルーオーシャン戦略の特徴のようです。

 

さて、次に、どのように戦略キャンバスのメリハリを探し出すかです。

 

策定②:メリハリある戦略を思いつく6つの手法

ブルーオーシャンがどんな感じなのかは視覚的にイメージがついたとして、ではそれをどう作り出すのかですが、そのためには6つの方法があると述べられています。今回はその中でも、以前、僕の記事で触れてきている例に関して二つ述べようと思います。

 

代替産業に学ぶ

機能志向と感性志向を切り替える

 

まず、代替産業に関しては、マーケティングの定義に関して書いた記事で僕自身が感じていたことを正に言ってくれています。上のサウスウエスト航空の例でいう、飛行機は飛行機以外とも競合しうる、ということです。逆に言えば、飛行機以外からも学べるということです。

 

これに関しては、前田裕二さんという方がメモの魔力という本のなかでも話している「転用」がよく似ている概念だと思います。別のものから学んでみる、ということは、ブルーオーシャン戦略策定に意味があるようです。

 

もう一つの機能志向と感性志向に関しては、生き残る商店街に関してお話しした記事に書いていますが、今まで「機能」面で戦ってきたところを、異なる次元の「感情」面で考えてみる、ということが戦略策定のキーポイントになるということです。商店街の活性化には「戦略キャンバス」が関係していそうです。これは個人的にいい収穫です。

 

ただでさえ長い僕の記事がさらに間延びしてしまうので、二つしか紹介しませんが、もし気になる方が見えたら、ぜひ「ブルー・オーシャン戦略」を読んでみてほしいです。

 

では、この手順でメリハリある戦略キャンバスを作ったら、次はどうするかですが、実行する前に各特徴を検証してゆきます。細かなところまで書かれていますが、だいたいの流れに関してだけまとめておきます。

 

戦略の成功率を上げる策定プロセス

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このフローを、本書では「正しい順路」と説明しています。

 

すごく簡単に整理します。「買い手にとっての効用」では顧客の購買体験を購入、納品、使用、併用、保守管理、廃棄の6種類に分けて考えています。「価格」に関しては、「顧客の密集地帯を探す」ことがテーマになっています。「コスト」は、いわゆる利益を出すための「ビジネスモデル」に関してです。

 

そして、障壁ですがここに関しては「実行」の段階と関わってくるので、今回は書きません。読んでみたい方は、ぜひご自身で読んでみてください笑。

 

これで「ブルーオーシャン」に反応できる

だいたいの策定のプロセスに関してはまとめてみました。実際に「実行」のフェーズまでやってみたい、読んでみたい、という方がいらっしゃるのならば、ぜひご自分で手に入れて読んでみてください。きっと、このブログを読むより10倍以上深く理解できると思います。

 

書籍を読んだ方が理解が深まるのは当然です。事例もたくさん紹介されるので、うまくいく共通点も理解し安いです。一方、読むまでは億劫、という方は、今回の記事でブルーオーシャン ‘戦略’ とは資源の最適化するだということくらいはイメージできたと思います。

 

また、今後「ブルーオーシャン」という単語が会話の中で飛び交ったときには、「どんなメリハリがあるのか?」とか「何に着想を得たのか?」とか、会話を深める仮説を持ったり、あるいはそれを質問できるようになったのではないかと思います。

 

さらにいうなら、自分を一つの会社に見立てて、自分自身をメリハリある戦略キャンバスの持ち主に変える「自己変革」にも有効かもしれません。この記事を読まれた方には、ぜひ、知った・会話できるようになっただけでなく、思考をさらに拡張させるのにも「ブルーオーシャン戦略」を使ってもらえたらと思います。

やてん

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